私たちが暮らす世界は、たくさんの色彩にあふれています。
色には「ピンク」や「オレンジ」など、英語での呼び方が定着しているものが多いです。しかし、日本の伝統色にはうつくしい日本語の呼び名があることをご存じでしょうか?
この記事では、日本の伝統色の一つである「浅葱色(あさぎいろ)」について、色名の由来などを解説します。
浅葱色とはどんな色?
浅葱色とは、明るい青緑色を指します。薄い藍色とも表現され、水色よりも青みが強いのが特徴です。
似た伝統色に「浅黄色(あさぎいろ・あさきいろ)」がありますが、こちらは淡い黄色を指すことが多いので、間違えないようにしましょう。
浅葱色の由来とは?
浅葱色は、薄いネギの葉に似た色であることが由来といわれています。平安時代から伝わってきたとされる歴史ある伝統色です。
江戸時代には、下級武士や田舎出身の侍の着物の裏地に多く使われる色だったことから、「流行遅れ」「野暮ったい」といったイメージを持たれていたのだとか。
しかし、現代ではドラマやアニメの影響もあって、新撰組が羽織に選んだ色としても広く親しまれています。また、神主など神職の袴の色としても見かける機会があるでしょう。
浅葱色のカラーコード
浅葱色に明確に規定されたカラーコードはありませんが、「#00a3af」や「#00a1ae」などが挙げられます。
浅葱色を英語でいうと?
浅葱色にはっきりとした洋名はありません。しかし、「pale blue-green(ペールブルーグリーン)」と呼ばれることが多いようです。
浅葱色に似ている色は?
浅葱色に似た色は、次のような青緑系統の色が挙げられます。
- 納戸色(なんどいろ)
- 花浅葱(はなあさぎ)
- 水浅葱(みずあさぎ)
- 青磁色(せいじいろ)
色彩検定とは
ここまで読んで、色彩の世界に興味を持った方がいるかもしれません。
色彩に興味のある方におすすめなのが、「色彩検定(R)」。文部科学省後援の資格で、公益社団法人色彩検定協会によって認定される資格です。
検定レベルは1級がプロフェッショナル向け、2級が実務に応用したい方向け、3級が初めて色を学ぶ方向けになっています。
また、2018年からは従来の1級~3級に加え、UC級も新設されました。UCとは色のユニバーサルデザインのことで、「色覚の多様性に配慮した、誰もが見やすい色使い」を指します。
色彩検定は公式テキストに準拠した内容で出題され、実務経験が必要ないため、初めて色を学ぶ方でもチャレンジしやすい資格といえるでしょう。
色彩検定の勉強で学んだ知識は、ファッションやインテリア、ビジュアルデザインなどの世界で生かせるでしょう。この機会に、色について学んでみませんか?