「料理をするのが好きなので、もっと知識やスキルを深めたい。楽しみながら料理の資格に挑戦してみたい」
このように考えている方におすすめの料理系資格を、9つご紹介します。初心者でも独学で取得できるものもありますので、ぜひチャレンジできそうなものを見つけてみてください。資格を通じて、料理の楽しさをさらに広げましょう!
- 料理検定
- 和食アドバイザー検定
- 和漢薬膳師
- 精進料理マイスター
- スポーツフードマイスター
- 介護食マイスター
- オーガニック・ヴィーガン料理マスター
- 調理師
- 栄養士
- まとめ|料理の資格に挑戦してもっと料理を楽しもう
料理検定
料理検定は、家庭料理の調理法や食材、食文化などに関する知識を測る検定です。公式アプリで勉強でき、初心者でも独学で挑戦しやすい検定といえます。
最も易しい3級では、肉じゃが、ハンバーグ、麻婆豆腐の調理法など、家庭でよく作る料理の基礎知識が出題されます。2級で問われるのは、魚のおろし方、フランス料理やイタリア料理の基礎知識、中国の宴席料理といった、より深い料理知識です。1級では、各料理の調理法、由来、文化的背景などの専門知識が幅広く出題されます。その他、食材に関する知識も各級の出題範囲です。
受検資格はなく、中学生、高校生、主婦、料理人などさまざまな人が受検しています。受検方法は全国のテストセンターでのCBT方式で、合格ラインは3級と2級が70点、1級が80点です。
料理検定を受けることで、家庭料理に関する知識が身につき、上手に食材を選んで料理をよりおいしく作れるようになるでしょう。また、2級以上の合格で、検定を主催する辻調理師専門学校の特待生奨学金制度の選考を受けられるので、進学を視野に入れている人は必見です。
和食アドバイザー検定
和食アドバイザー検定は、和食や郷土料理についての知識や調理方法が身についているかを測る検定です。公式テキストや参考図書でしっかり学べば、初心者でも合格を目指せます。
3級と2級では、郷土に根ざした和食の体系、郷土料理の調理・加工技術、季節と食材など、和食に関する基礎知識が問われます。3級が最も易しく、2級はより総合的な内容です。1級では実技が加わり、伝統的な郷土料理や行事食の調理技術、和食の礼儀作法といった、実践的な内容となります。
3級と2級は誰でも在宅で受検でき、どちらの級も70点以上で合格です。2級取得者のみが対象となる1級は、修了試験を含む3日間の実技講習会を受けることで取得できます。
和食アドバイザー検定を通じ、和食や郷土料理への理解が深まるほか、自ら作って食べる楽しさを味わえるようになるでしょう。検定で得た知識は、和食を扱う飲食店や旅館、観光の仕事で役立ちますので、仕事の幅が広がるメリットもあるといえます。
和漢薬膳師
和漢薬膳師は、薬膳・和漢膳の知識を持ち、目的に合った薬膳レシピを実践できる証となる資格です。そもそも薬膳とは中国で生まれたもので、東洋医学をベースに、生薬を使って身体の不調を改善する料理を指します。その薬膳を、日本人の味覚や体質に合わせておいしく作りやすくアレンジしたものが、和漢膳です。
和漢薬膳師の学習範囲は、薬膳の歴史や基礎理論、食材や生薬の効果と効能、東洋医学の考え方、ダイエットや免疫力アップ等の目的に合わせた具体的な薬膳メニューなどです。
資格は、通信講座で学んで課題を提出したのち、修了認定試験に合格することで得られます。試験の合格ラインは70点で、受講から試験まですべて在宅で可能です。
和漢薬膳師に合格すると、自分や家族の健康を薬膳によって支えられるようになります。飲食店で薬膳メニューを考案したり、健康関係の仕事に薬膳の視点を取り入れたりと、業務の幅も広がるでしょう。
精進料理マイスター
精進料理マイスターとは、精進料理の基礎知識を持ち、現代家庭に合う形で精進料理を実践し、その魅力を社会に伝えられる証となる資格です。精進料理は、修行僧の食事として鎌倉時代に確立されました。いまでは、肉や魚を使わないヘルシーさから、ダイエットや健康維持につながる料理として注目されています。
資格を得るための学習内容は、精進料理の歴史、食べ方の作法、出汁の取り方、具体的な精進料理の作り方(けんちん汁、白和え、葛まんじゅう、ほか)などです。
資格の認定は、通信講座の受講、実践課題(自分で作った精進料理の写真を提出)、修了試験によって得られます。試験の合格ラインは正答率70%です。受講から試験まですべて自宅ででき、教材には精進料理用の器もついているので、初心者でも学びやすいといえます。
精進料理マイスターの資格をとると、身近な食材で精進料理を作れるようになり、家庭での健康的な食事作りに有効です。精進料理レシピを開発したり料理教室で教えたりと、仕事にも役立つでしょう。
スポーツフードマイスター
スポーツフードマイスターとは、スポーツフードに関する専門知識とスキルを証明する資格です。スポーツフードとは、アスリートやスポーツ愛好者が体を強くし、コンディションを整えて最大限のパフォーマンスを発揮するための、食事メニューや食生活のことを指します。
試験では、トレーニング期、メンテナンス期、試合前日、試合当日、試合後といった時期ごとに最適な食事の内容、水分補給、サプリメントの取り方などが出題されます。筋肉や脳を動かす栄養素、競技の特性や運動量に合った献立の立て方に関する、正しい知識が必要です。
試験は在宅での受験が可能で、合格ラインは正答率70%です。試験が免除になる通信講座もあり、初心者でも取り組めます。
資格取得後は、スポーツに取り組む家族を食事面でサポートしたり、自分がスポーツをする際に栄養を効果的に取れたりと、日常生活で資格の知識を役立てることが可能です。スポーツフードの専門家としてスポーツ施設や健康施設などで働いたり、スポーツ選手を直接支える仕事に携わったりすることもできます。
介護食マイスター
介護食マイスターとは、介護を必要とする人に最適な食事を提供するための、専門的な知識と技能を証明する資格です。介護食とは、噛む力や飲み込む力が低下した人でも必要な栄養を安全に摂取できるよう、刻む、ゼリー状にするなどして工夫して調理された特別な食事のことを指します。
資格を得るには、介護食の種類・作り方、食材の選び方、栄養バランスのほか、経管栄養や流動食などの特徴や、食事介助の方法など、介護食について幅広く学ぶことが必要です。加齢と食欲の関係、栄養と褥瘡(床ずれ)の関係といった専門知識も求められます。
試験は在宅受験で、合格ラインは正答率70%です。試験が免除になる通信講座もあります。合格するには専門知識が必要ですが、教材を活用すれば初心者からでも無理なく学べるでしょう。
資格を取得すると、高齢者など介護を必要とする家族の食事作りに、資格の知識を役立てることができるでしょう。介護食の専門家として、介護施設や介護食商品関連企業で働くといった道も開けます。
オーガニック・ヴィーガン料理マスター
オーガニック・ヴィーガン料理マスターとは、ヴィーガン料理の基礎や料理法についての知識を証明する資格です。ヴィーガン料理とは、動物を摂取しない、プラント(植物)ベースの料理のことで、健康的な生き方のひとつとして注目されています。
通学またはオンラインで3時間の講座を受講することで、資格を得られます。学ぶ内容は、ヴィーガンの定義、ヴィーガン料理の歴史、ヴィーガン料理の栄養、具体的な作り方などです。ヴィーガン料理のメリットだけでなく、不足しやすい栄養素といったデメリットも学びます。基礎から実践レベルまでの幅広い学習を通じ、正しい知識をもって栄養バランスのよいヴィーガン料理を作れるようになります。
資格をとれば、家庭でヴィーガン料理が作れるほか、料理を通じて自然環境に優しい暮らしを実践できるようになります。ヴィーガン料理に関する専門知識を生かし、飲食店などで働くこともできるでしょう。
調理師
ここまで、初心者でも取りやすい資格を取り上げてきましたが、最後に、料理の資格として見逃せない2つの国家資格も紹介しておきましょう。定められた方法で基礎から順に学べば、初心者からでも取得を目指すことは可能です。
まずは調理師です。調理師とは、調理法や栄養、衛生に関する専門知識を持ち、安全でおいしい料理を作るスキルを証明する国家資格です。
調理師になるには、2通りの方法があります。1つは、専門学校や短大などの調理師養成施設で学び、卒業後に免許を申請するという方法です。
そしてもう1つは、2年以上の調理経験を積み、調理師試験の受験資格を得る方法です。試験に合格後、調理師の免許を申請します。試験科目は公衆衛生学、食品学、栄養学、食品衛生学、調理理論、食文化概論の6つで、全科目合計で6割以上の得点をあげれば合格となります(1科目でも平均点を著しく下回った場合は不合格)。
調理師の資格をとると、専門知識とスキルをもった調理のプロとして、飲食店やホテル、学校や病院などのさまざまな施設で活躍する道が開かれます。もちろん、調理師としての知識とスキルは、日常の料理作りにも生きるものばかりです。
栄養士
最後に紹介する国家資格は、栄養士です。栄養士とは、食と栄養に関する知識をもとに栄養指導ができる専門家で、栄養バランスを考えた献立を立てたり、栄養相談に応じたりすることを通じて、人々の健康を食と栄養の観点から守ります。
栄養士の資格は、専門学校、短大、大学などの栄養士養成施設で学び、卒業した後に、免許を申請することで得られます。養成施設では、栄養学、調理学、栄養指導論、給食管理など、食と栄養について実践的かつ専門的に学びます。
栄養士の資格を取得すると、より健康的な食生活を送れるようになるだけでなく、栄養の専門家として多くの場所で活躍できます。学校、介護施設、企業の社員食堂などで献立を考え給食を調理する仕事や、行政機関で地域住民に栄養指導をする仕事、食品関係企業の研究開発職など、さまざまなキャリアが開けるのです。
まとめ|料理の資格に挑戦してもっと料理を楽しもう
料理系の資格を通じて得た知識とスキルは、健康的な食生活を豊かに楽しむうえでとても役立つものです。加えて、料理の専門知識を生かして仕事のチャンスを広げることもできます。料理が好きな方や、趣味の料理をもっと楽しみたい方、料理についてより深く学んでみたい方は、ぜひ料理の資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。
【参考】
料理検定
和食アドバイザー検定
和漢薬膳師
精進料理マイスター
スポーツフードマイスター
介護食マイスター
オーガニック・ヴィーガン料理マスター
調理師
栄養士