「漢検では何級からすごいと評価されるのだろう?すごいといわれる級に合格してみたい!」
このようにお考えの方のために、漢検(日本漢字能力検定)ですごいと評価される級は何級なのかについて解説します。漢検を受けるメリットや、級別の詳しいレベルについても紹介しますので、漢検に興味がある方や、自分は何級を受けるべきか確認したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
漢検は何級からすごいのか?
漢検で「その級に合格したなんてすごい!」といわれるのは、いったい何級なのでしょうか。
この記事では、「すごい」の定義を「年齢相応のレベルに達しているか、超えていること」とし、小学生、中学生、高校生、大人の分類別に、漢検では何級からすごいといえるのか紹介します。
小学生:漢検5級に合格できたらすごい
漢検には、易しい順に10級から1級まであり、5級が小学校6年生修了レベルです。よって、6年生なら漢検5級に合格するとすごいといえるでしょう。
5年生以下の場合は、自分の学年に相当する級に合格すればすごいといえます。たとえば、5年生なら小学校5年生修了レベルの6級に合格するとすごい、といった具合です。
中学生:漢検3級に合格できたらすごい
中学生であれば、漢検3級に合格すればすごいといえます。3級は、中学校卒業レベルの漢字能力を証明する級です。
なお、5級が小学校卒業レベル、3級が中学校卒業レベルであるのに対し、間にある4級は中学校在学レベルの級です。ですので、たとえば中学1年生で漢検4級に合格できれば、すごいと評価される可能性があるでしょう。
高校生:漢検2級に合格できたらすごい
高校生であれば、漢検2級に合格するとすごいといえます。2級は、高校卒業・大学・一般レベルの漢字能力を証明する級で、常用漢字がすべて使えるレベルです。
3級と2級の間には、準2級があります。準2級は高校在学レベルの級なので、高校1年や2年で漢検準2級に合格すれば、漢字能力の高さを証明できるでしょう。
大人:漢検準1級に合格できたらすごい
大人・社会人であれば、漢検準1級に合格するとすごいといえます。準1級は、2級までに網羅した常用漢字を超えた、さらに高度な漢字能力を証明する級です。
準1級のすごさは、受検者データを見てもわかります。2023年度に行われた第1回~第3回検定における、準1級の平均合格率は18.1%でした。5人に1人受かるか受からないかという検定で合格したとなれば、すごいと評価される可能性は高いでしょう。
漢検を受けるメリットとは?
漢検は何級からすごいといえるのかがわかったところで、漢検を受けるそもそものメリットについても確認しておきましょう。漢検は、学生にも大人にもよい影響をもたらしてくれます。
入試で加点される
漢検に合格すると、高校入試や大学入試においてアドバンテージとなります。具体的には、調査書や試験での加点、合否の判定、入学金や授業料の減免審査などに漢検が用いられるほか、漢検合格を出願条件のひとつとしている学校もあるのです。高校・高等専門学校の半数以上、大学・短大の6割以上が、入試に漢検を活用しています。
なぜ漢検が入試でプラス評価されるのかというと、漢検合格は、学習意欲をもって主体的にコツコツ勉強に取り組んだことの表れであるからです。漢検合格者は、目標に向けて工夫しながら、努力して学習できる人だとみなされます。漢検合格で評価されるのは、漢字能力だけではないのです。
入試でプラス評価される級は、募集要項などに記載されています。目安として、高校入試では3級以上、大学入試では準2級以上を取得しておくと評価されやすくなります。
就職で有利になる
漢検に合格すると、就職活動においていい評価を得られる可能性が高まります。多くの企業において、新卒採用の評価要素として漢検が活用されているのです。
就職で漢検が評価される理由は入試と同様で、漢検合格者は目標に向けて主体的に努力できる人であるとみなされるからです。もちろん、漢検を通じて漢字能力や語彙力を高めておけば、SPIの点数を上げたり、エントリーシートで質の高い文章を書いたりできるようになります。
時間に余裕のある学生のうちに漢検の上位級に合格しておけば、就職活動で役に立つでしょう。社会人になってからも学習を続けさらに上の級に合格すれば、昇進や転職の際にアピールできます。
日本語能力が上がる
漢検を受けると漢字能力・日本語能力が上がるというメリットも、もちろん見逃せません。
そもそも漢検とは、漢字の意味や読み書きの仕方をきちんと理解し、正しい日本語で文章を書いたり会話したりする能力を測る検定です。漢検では、漢字の能力だけでなく、言葉を理解する能力、言葉で思考する能力も鍛えることができます。
漢検合格のために学習を重ねれば、文章を読んで理解する能力が上がるので、学力アップにも直結します。国語だけでなく、さまざまな分野における成績向上のベースとなるでしょう。
自己研鑽になる
漢検を受けると、自己成長につながる学習機会を得ることができます。
目標を目指して勉強し実際に合格すると、大きな達成感が得られ、さらに上の級も目指そうという新たな学習意欲も湧いてくるでしょう。力がついたことを「合格」というかたちで証明できるので、自信にもなります。
また、漢検の合格を目指してコツコツ学ぶ姿勢は、漢字以外の学習姿勢にもつながります。社会人として大切な学びの習慣を築くことにもなるでしょう。
漢検のレベルを級別に解説【5級~1級】
ここからは、漢検5級から1級までの7つの級について、それぞれの級が求める漢字のレベルや合格ライン、合格率などを紹介します。すごいといわれる級を目指す前に、自分はまず何級を受ければよいかチェックしてみてください。
漢検5級のレベルとは
漢検5級のレベルは小学校6年生修了程度で、対象漢字数は1,026字です。
6年生までの漢字を正しく読み書きし、文章のなかで適切に使える力が求められるほか、四字熟語、筆順と総画数、部首についての正しい理解も必要です。
5級の合格ラインは200点満点中の70%程度で、2023年度第1回~第3回検定の平均合格率は72.3%でした。
漢検4級のレベルとは
漢検4級のレベルは中学校在学程度で、対象漢字数は1,339字です。小学校で習う漢字に313字加わり、これらの漢字を正しく読み書きし、文章のなかで適切に使える力が求められます。
5級との違いは、筆順と総画数の問題がなくなるかわりに、熟字訓と当て字が出題される点です。
4級の合格ラインは200点満点中の70%程度で、2023年度第1回~第3回検定の平均合格率は52.6%でした。
漢検3級のレベルとは
漢検3級のレベルは中学校卒業程度で、対象漢字数は1,623字です。4級までの漢字に284字加わります。
出題内容は4級と変わらず、対象の漢字を正しく読み書きし、文章のなかで適切に使える力が問われるほか、四字熟語、部首について、4級より一段レベルの高い内容が出題されます。
3級の合格ラインは200点満点中の70%程度で、2023年度第1回~第3回検定の平均合格率は48.0%でした。
漢検準2級のレベルとは
漢検準2級のレベルは高校在学程度で、対象漢字数は1,951字です。3級までの漢字に328字加わります。
対象の漢字を正しく読み書きし、文章のなかで適切に使う力が問われる点は3級までと変わりませんが、準2級では典拠のある四字熟語についても正しく理解する必要があります。
準2級の合格ラインは200点満点中の70%程度で、2023年度第1回~第3回検定の平均合格率は36.8%でした。
漢検2級のレベルとは
漢検2級のレベルは高校卒業・大学・一般程度で、対象漢字数は2,136字です。準2級までの漢字に185字加わり、2級ですべての常用漢字をカバーすることになります。
出題の内容は準2級と変わらず、さらに高いレベルの漢字を使った問題が出題されます。
2級の合格ラインは200点満点中の80%程度です。5級から準2級までの合格ラインは70%程度でしたが、2級より上の級では合格ラインがより厳しくなっています。2023年度第1回~第3回検定の平均合格率は28.0%でした。
漢検準1級のレベルとは
漢検準1級のレベルは大学・一般程度で、対象漢字数は約3,000字です。2級までにカバーする全常用漢字を含む、JIS第一水準で規定された漢字が対象の目安となります。JIS第一水準とは、JIS(日本工業規格)で特に使用頻度が高いと定められた漢字のことです。
準1級では新たに、国字や、故事成語・ことわざ、古典的文章のなかで使われる漢語について出題されます。
準1級の合格ラインは200点満点中の80%程度で、2023年度第1回~第3回検定の平均合格率は18.1%でした。
漢検1級のレベルとは
漢検1級のレベルは大学・一般程度で、対象漢字数は約6,000字です。
常用漢字を含む、JIS第一水準とJIS第二水準に定められた漢字が対象の目安となります。JIS第一水準が使用頻度の高い漢字であるのに対し、地名や人名といった使用頻度が比較的低い漢字がJIS第二水準です。
1級では、準1級でも出題される国字、故事成語・ことわざ、古典的文章における漢語についてよりハイレベルな問題が出題されるほか、地名・国名などの漢字表記も問われるようになります。
1級の合格ラインは200点満点中の80%程度で、2023年度第1回~第3回検定の平均合格率は7.8%でした。
まとめ|漢検ですごいと言われる級を目指そう
漢検は何級からすごいといわれるのか、各級の漢字レベルは具体的にどれぐらいなのか、詳しく解説しました。
漢検合格のメリットは、ただ単にすごいと評価されることだけにはとどまりません。入試で加点されたり、就職活動でプラスに働いたりといった実利があるほか、すべての学力のベースとなる漢字能力・日本語能力も上がりますし、目標のためにコツコツ頑張る姿勢を養うこともできます。自己成長、自己実現の手段としても、漢検は有効です。ぜひ自分に合った級から始めて、漢検ですごいといわれる級を目指してみてはいかがでしょうか。