「弁当の仕切りに使われる葉っぱみたいなアレ」や「カーテンをひとまとめにするアレ」のように、日常的に目にしているのに名前が出てこないものってありますよね。モヤモヤを解消するためにインターネットで検索したのに、会話で使う機会がないせいですぐに忘れてしまい、またモヤモヤ……。そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。
そこで! シカクトでは、「アレ」と呼ばれることの多いアイテムやパーツを集めて、クイズにしてみました。資格試験の勉強で疲れたときのリフレッシュにご活用ください。
- 問題1:視力検査で使われる「C」のような形のアレを何という?
- 問題1の答え
- 問題2:鉛筆と消しゴムをつなぐ金具の名前は?
- 問題2の答え
- 問題3:弁当の仕切りに使われている、緑色のアレの名前は?
- 問題3の答え
問題1:視力検査で使われる「C」のような形のアレを何という?
視力検査のときに使う、アルファベットの「C」のようなマーク。アレにも名前があることをご存知ですか? 健康診断やメガネを購入するときの視力検査、自動車免許更新時の視力検査など、目にする機会は意外に多いものの、正式名称まで知っている方は少ないかもしれませんね。
問題1の答え
答えは「ランドルト環」です。
ランドルト環は、1888年にフランスの眼科医エドムンド・ランドルトが考案したもので、国際眼科学会で標準視標として正式に採用されています。
ランドルト環を使った検査では、検査表から5m離れ、ランドルト環が上下・左右・斜めのどこで切れているかを判別することで視力を測ります。つまり、「ランドルト環の切れ目の両端を区別できるかどうか」が判定の基準というわけです。
視力は「1÷視角」という式で計算されますが、ここで言う視角というのは、目とランドルト環の切れ目の両端がつくる角度のこと。単位は「分(=1度の60分の1)」で、視角1分のランドルト環が見えれば、視力は1.0。視角2分なら、視力は0.5となります。
なお、ランドルト環の大きさはISO規格やJIS規格で定められており、太さが切れ目の幅と同じで、外径が切れ目の約5倍というのがその基準です。そのため検査距離5mで、視力1.0に相当するランドルト環は、外直径7.5 mm、太さ1.5 mm、切れ目の幅1.5mmとなるのだとか。
付け加えておくと、視力検査のときに片目を覆う黒いお玉のようなアイテムは、「遮眼子(しゃがんし)」と呼ばれます。いまはあまり使われなくなりましたが、参考までに覚えておいてくださいね。
<参考>
改訂新版 世界大百科事典|平凡社
「見えるとはなにか 所教授の眼科レッスン Q&A 100」(自由企画・出版)
問題2:鉛筆と消しゴムをつなぐ金具の名前は?
PCやスマホが普及して以降、鉛筆やペンで文字を書く機会が極端に少なくなりましたよね。とはいえ、子どもの頃に「消しゴム付き鉛筆」を使ったことのある人は、きっと多いはず。消しゴム付き鉛筆の鉛筆部分と消しゴム部分をつなぐ、「金属製のアレ」の正式な名前って……。何だかわかりますか?
問題2の答え
答えは「フェルール」です。
フェルール(ferrule)というのは、英語で「継ぎ手」を意味する言葉。鉛筆と消しゴムの接合部分だけでなく、排水管の接合部品や釣り竿の継ぎ目を強化するパーツなども、同じ名前で呼ばれています。
消しゴム付きの鉛筆が誕生したのは1850年頃で、考案したのはハイマン・リップマンというアメリカの画家だと言われています。ハイマンはデッサンの途中で消しゴムをなくすクセがあり、探すのが面倒だったために、鉛筆と消しゴムを合体させるアイデアを思いついたのだとか。つまり、「身近な不満」から生まれた、画期的なアイデアというわけです。
とはいえ、ハイマンのアイデアは消しゴムをニカワで鉛筆に固定するだけのもの。金具を使って、消しゴムと鉛筆をつなぎ合わせる方式を考案したのは、同じアメリカのエバーハード・ファーバーです。彼はその方式で特許を取得し、1930年代には平たいフェルールを使った、長方形の消しゴム付き鉛筆を開発。エバーハード・ファーバー社の製品は、ジョン・スタインベック(作家)、フランク・ロイド・ライト(建築家)をはじめとする、多くの著名人に愛用されてきました。
ちなみに、すでにあるものを組み合わせる発明法を「ハイマン法」と呼びますが、この呼び名も消しゴム付きの鉛筆に由来しているんですよ。
<参考>
デジタル大辞泉|小学館
トンボ鉛筆|鉛筆の歴史
BLACKWING 日本公式ホームページ
問題3:弁当の仕切りに使われている、緑色のアレの名前は?
弁当や折り詰めなどで、おかずとおかずの間に入っていることが多い、緑色の薄い仕切り。弁当の彩りにもなっているため、入っていないと少しさびしい気持ちになりますよね。でも、アレの役割は単なる飾りではありません。もちろん、ちゃんとした呼び名もあります。さて、何という名前でしょう。
問題3の答え
答えは「バラン」です。
弁当や折り詰めにバランを使用する理由は、隣り合った食べ物の味が混ざったり、においが移ったりするのを防ぐため。おいしく調理された、おかずの味わいを落とさないようにするための工夫なんです。加えて、弁当全体の彩りをよくするのもバランの役目です。確かに、揚げ物や煮物など茶色系のおかずが多くなったとき、バランを添えると色のバランスがよくなりますよね。
名前の由来は、「ハラン(葉蘭)」という植物で、もともと弁当や折り詰めの仕切りには、ハランや笹の葉が使われていました。しかし、そうした天然の植物には、必要なときすぐに用意できないという弱点があります。また、おかずによっては、植物自体のにおいが移ってしまう場合もあります。そこで誕生したのが、いつでも手に入りにおいも気にならない、プラスチック製の仕切りなのです。
当初は「人造ハラン」という名称でしたが、少しずつ省略されてバランと呼ばれるようになったとか。現在では、ギザギザの山型だけでなく海老や松、紅葉などさまざまな形状が見られるようになりました。
ちなみに、ハランは大きな楕円形の葉が特徴的なキジカクシ科の植物。葉には殺菌作用があるため、おかずが傷むのを防ぐ効果があるとされています。
<参考>
デジタル大辞泉|小学館
Youki Style Magazine|折兼 みんなの趣味の園芸|NHK出版