難読漢字クイズ<春の花の名前>

第1問 「鬱金香」の読み方は?

「音」で聞けば誰もが知っている言葉なのに、漢字で表記すると難しくて読めなくなってしまう……。日本には、そうした難読漢字が意外に多いですよね。今回の難読漢字クイズでは、春に咲く「花」にまつわる単語を3つピックアップしてみました。全問正解を目指して、がんばりましょう!

第1問 「鬱金香」の読み方は?

第1問 「鬱金香」の読み方は?

一般的な呼び名は、トルコ語でターバン(頭に巻く布)を意味する「チュルバン」に由来しているとか。日本では、富山県と新潟県が主な産地となっており、赤、白、黄、ピンク、紫など、花色のバリエーションがとても豊富です。

第1問の答え

第1問 「鬱金香」の読み方は?

答えは「チューリップ」です。

チューリップは、ユリ科チューリップ属の球根植物です。草丈は20cmほどで、品種はなんと5,000種類以上。開花時期によって早生、中生、晩生、原種の4つに分けられ、そのなかには一重咲きや八重咲き、ユリ咲き(細い花びらがやや反り返って咲く品種)、フリンジ咲き(花びらの縁にフリルのような切れ込みが入った品種)、パーロット咲き(花びらの縁に深い切れ込みが入った品種)など、さまざまな花形があります。

チューリップと聞くと、オランダを連想する人が多いかもしれませんが、原産地は中央アジアや地中海沿岸。それがヨーロッパに伝わり、オランダなどで品種改良されたことで、さまざまな色や形が生み出されました。ちなみに、17世紀のオランダでは、珍しい品種のチューリップを所有することが富裕層のステータスになり、稀少な球根には家一軒の価値があると言われていたそうですよ。

日本に導入されたのは江戸末期で、ウコンに似たほろ苦い香りがすることから「鬱金香(うっこんこう)」という名前が付けられました。

なお、チューリップの花言葉は、次のとおりです。

  • 赤:愛の告白、永遠の愛
  • ピンク:愛の芽生え
  • 白:純真
  • 紫:気高さ、不滅の愛
  • 黄:実らぬ恋

<参考>

日本大百科全書(ニッポニカ) |小学館

花キューピッド公式ホームページ

美しい花言葉・花図鑑(ナツメ社)

第2問 「木瓜」の読み方は?

第1問 「鬱金香」の読み方は?

木+瓜で「きうり」と読みたくなる気持ちはわかります。でも、そうではありません。梅に似たかわいらしい花を咲かせますが、音だけでこの名前を聞くと「もしかして、バカにされているのかな」と勘違いしてしまうかも?

第2問の答え

第1問 「鬱金香」の読み方は?

答えは「ボケ」です。

ボケは、バラ科ボケ属の落葉低木。中国原産のボケとマボケ、日本原産のクサボケの3つに分類され、200種類以上の品種があるとされています。花色は白、赤、ピンク、オレンジ、複色と多彩で、直径2〜5cmほどの5弁花(=花びらが5枚ある花)を咲かせます。また、枝に鋭いトゲがあるのも特徴の1つです。

日本に渡来したのは平安時代のころで、瓜に似た実がなることから、「木瓜(もけ)」と呼ばれていたとか。その後、「もけ」が訛って「ボケ」という名前になったのだそうです。ちなみに、原産地の中国では「いち早く春を生み出す花」という意味で、「放春花(ファンチェンファ)」と呼ばれています。

栽培が盛んになったのは江戸時代からで、庭木や盆栽として親しまれてきたほか、侵入防止の生け垣としても活用されてきました。花が咲き終わると楕円形の実をつけますが、固くて酸味が強いため、乾燥させて薬用にしたり、果実酒に加工したりするのが一般的です。

花言葉は、先駆者、早熟、平凡など。早熟はいち早く春を生み出すことに由来し、平凡は垣根に使われる丈夫な性質を表しています。

<参考>

日本大百科全書(ニッポニカ) |小学館

みんなの園芸|NHK出版

美しい花言葉・花図鑑|ナツメ社

第3問 「蒲公英」の読み方は?

第1問 「鬱金香」の読み方は?

道端や草原、土手など、さまざまな場所で目にする草花です。英名の「ダンデライオン」は、フランス語の「Dant-de-lion(ライオンの歯)」に由来しており、葉がギザギザしていることから、その名がついたと言われています。

第3問の答え

第1問 「鬱金香」の読み方は?

答えは「タンポポ」です。

タンポポは、キク科タンポポ属の多年草。原産地はヨーロッパで、世界には2,000以上もの種類があるとされています。日本で見られる代表的なタンポポは、在来種のニホンタンポポと外来種のセイヨウタンポポで、花の付け根にある総苞片(花全体を包む葉)がめくれているのがセイヨウタンポポ、めくれていないのがニホンタンポポです。

タンポポと言えば、黄色の可憐な花を思う浮かべる人も多いと思いますが、実は花びらに見えている一つひとつが小さな花。全部におしべとめしべがあります。その証拠に、花が終わった後の綿毛をふーっと吹き飛ばすと、それぞれに種子がついているのがわかりますよね。

余談ですが、ヨーロッパには綿毛を使った恋占いがあり、「ひと息で吹き飛ばすことができれば、恋がかなう」とされているそう。タンポポの花言葉は、神のお告げ、誠実、幸せですが、そうした花言葉があるからこそ、恋占いに使われるのかもしれませんね。

なお、タンポポを漢字で「蒲公英」と表記するのは、中国で開花前のタンポポで作られた漢方を「蒲公英(ほうこうえい)」と呼んでいることから。タンポポは古くから漢方に使われてきた歴史があり、健胃、解熱、利尿などの作用があると言われています。

<参考>

日本大百科全書(ニッポニカ) |小学館

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 |ブリタニカ・ジャパン

美しい花言葉・花図鑑(ナツメ社)