正式名称は分かる?「アレ」の名前クイズ(1)

アレの名前クイズ

「弁当の仕切りに使われる葉っぱみたいなアレ」や、「カーテンをひとまとめにするアレ」のように、日常的に目にしているのに名前が出てこないものってありますよね。モヤモヤを解消するためにインターネットで検索したのに、会話で使う機会がないせいですぐに忘れてしまい、またモヤモヤ……。そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。そこで! シカクトでは、「アレ」と呼ばれることの多いアイテムやパーツを集めて、正式名称を当てるクイズにしてみました。資格試験の勉強で疲れたときに、リフレッシュがてら取り組んでみてください。

問題1:食パンの袋の口を留めるときに使う、アレの名前は?

食パンの袋の留め具の名前は?

食パンを購入すると必ずといっていいほどついてくる、切り込みの入った小さなプラスチックの留め具。食パンはもちろん、食べかけのお菓子を保存するときにも便利ですよね。なかには、ケーブルを束ねるのに使っている人もいるとか。さて、アレの正式名称は何でしょう?

問題1の答え

バッグ・クロージャ―

答えは「バッグ・クロージャー」です。

クロージャー(closure)は、英語で「空いているところを閉じるもの」という意味を持っており、バッグ・クロージャーを省略して、「クロージャー」と呼ぶこともあります。生みの親は、1950年代にアメリカ南カリフォルニアで、包装機械の会社を営んでいたフロイド・パクストンさんです。

あるときパクストンさんは、ワシントン州のりんご生産事業者から、「りんごを袋詰めにした後、袋の口を簡単に閉じる方法はないだろうか」と相談され、移動中の飛行機であれこれと思案。プラスチック片に切り込みを入れる方法を思いつき、ナイフとプラスチックの破片を使ってパイロット版を制作したのだそうです。そして、バッグ・クロージャーのアイデアはすぐに相談者に受け入れられ、製品化したことでほかのりんご事業者の間にも広まっていきました。

その後、パクストンさんのクイック・ロック社は、バッグ・クロージャーの自動結束機を開発し、大手製パン工場との取引を開始。60年代には、世界中にバッグ・クロージャーが広まりました。

日本に上陸したのは、70年代の後半のことで、1983年にはクイック・ロック・ジャパンを設立。バッグ・クロージャーの製造は、特許を持つ同社が独占しており、国内では年間30億個以上が生産・消費されています。

<参考>
クイック・ロック・ジャパン公式サイト

問題2:弁当に入っている、「魚の形のアレ」の名前は?

弁当に入っている「魚の形のアレ」の名前は?

弁当や寿司折に入っている魚型のタレ容器。「魚の形のアレ」や「しょうゆ(あるいはソース)入れ」という呼ばれ方をすることが多いようですが、実は正式な名前があります。「お昼ごはんをもっと魅力的にしたい」という思いから名づけられたそうですが……。何だかわかりますか?

問題2の答え

ランチャーム

答えは「ランチャーム」です。

ヒントにもあったように、「ランチをもっと楽しくしたい」「魅力的なものにしたい」という思いから、ランチ+チャーム=ランチャームという名前がつけられたそうですよ。

ランチャームの生みの親は、旭創業(大阪府大阪市)の創始者である渡辺輝夫さん。製作に着手したのは、1954年のことだそうです。当時、弁当用の調味料入れといえばガラスや陶器が定番。風情はあるものの、弁当に使うには高価だし、捨てるときに割れる危険性もありました。そうしたなか、渡辺さんは「これからは経済的なポリエチレンの時代になる」「安くて安全なポリエチレン製の使い捨て容器を作れば、必ず売れる」と考えてランチャームを発想し、製作をスタートさせたのです。

しかし、小さな容器を作る技術も機械もなかったため、渡辺さんはまずポリエチレン容器をつくるための機械の開発からスタート。何度も失敗を重ねながら、小型の調味料容器を完成させ、1957年にようやく本格的製造にたどりつきました。

百貨店からの引き合いをきっかけに日本各地に広まったランチャームは、いまや弁当や寿司折に欠かせないものになっていますが、その頃はまだ魚型の商品は存在しませんでした。魚型は、後に寿司屋の持ち帰り用に開発されたもので、「魚の王様」であり「おめでたい」イメージがあることから、鯛がモチーフに選ばれたのだそうです。ちなみに、旭創業以外の製品は「タレビン」と呼ばれ、尻尾に旭マークがあるかどうかで見分けます。

<参考>
旭創業公式サイト

問題3:みかんの袋についている「白いアレ」を何という?

みかんの「白いアレ」の名前は?

みかんの皮をむくとあらわれる白いすじ。気にせずそのまま食べる人もいれば、きれいに取ってから食べる人もいると思いますが、実はあのすじ、みかんが成長するにあたってとても大事な役目をはたしているんですよ。そして、アレにもちゃんとした名前があります。さて、何と呼ばれているでしょう?

問題3の答え

アルベド

正解は「アルベド」です。

アルベドは、「白」を意味するラテン語のalbedo(アルベードー)という言葉に由来する名前で、あのすじは根っこや葉から吸収した栄養分・水分を運ぶ維管束(みかんの血管のようなもの)なんです。よくみると、果肉の袋を網目状に包み込んでいるのがわかりますよね。ちなみに、オレンジ色の外果皮にも名前があって、「フラベド」というんですよ。

みかんは、手軽にビタミンCを取れる果物として人気ですが、アルベドにもペクチン、ヘスペリジンが多く含まれています。ペクチンは食物繊維の一種で、コレステロール値の上昇を抑える働きや整腸作用があるとされる栄養素。一方のヘスペリジンは、血圧の上昇を抑制し、毛細血管を保護して血管の老化を防ぐ働きが期待されています。
ヘスペリジンは果肉部分にも含まれますが、皮や袋、すじの部分により多く含まれているそうですよ。じゃま者扱いされやすいアルベドですが、実際は栄養豊富だったんですね。

余談ですが、みなさんはみかんを食べすぎて、指先や手のひらが黄色くなったことはありませんか? あれは、発ガン予防に効果的とされるβ-クリプトキサンチンが血中に蓄積されるために起こる症状だといわれています。健康に害はないそうなので、ご安心を。

<参考>
愛媛県ホームページ「愛媛かんきつ情報缶」
「からだにおいしいフルーツの便利帳」(高橋書店)