【TOEICの勉強法】スコア別のおすすめ方法、効率よく学べるコツを解説

【TOEICの勉強法】スコア別のおすすめ方法

「TOEICを受けてみようと考えているけれど、勉強法がよく分からない」「TOEICでいいスコアを取るには、どうやって対策すればいいのだろう」などと疑問に思っていませんか?

本記事では、TOEIC(トーイック)のおすすめの勉強法をスコア別に紹介します。リスニング・リーディングの両方に対応した基本的な勉強法や、効率よく勉強するためのポイントについてもまとめています。

本記事を参考にして勉強を進め、目標スコアの達成を目指しましょう。

TOEICとはどのようなテスト?

「TOEIC Program」とは、知識・教養としての英語力ではなく、日常生活やビジネスにおける「生きた英語」の力を測定する、世界共通のテストです。アメリカの非営利テスト開発機関であるETSが開発し、日本での実施・運営は一般社団法人・国際ビジネスコミュニケーション協会が行っています。

「TOEIC Program」は、「TOEIC Tests」および「TOEIC Bridge Tests」の2つのテストブランドと、以下5種類のテストに分かれています。

  1. TOEIC Tests
    • TOEIC Listening & Reading Test
    • TOEIC Speaking & Writing Tests
    • TOEIC Speaking Test
  2. TOEIC Bridge Tests
    • TOEIC Bridge Listening & Reading Tests
    • TOEIC Bridge Speaking & Writing Tests

※「TOEIC Bridge Tests」は、「TOEIC Tests」への架け橋として、英語の初級者向けに設計されたもの。難易度が低く、テスト時間も短いのが特徴。

どのテストも、結果は合格・不合格ではなくスコアで表示されます。このスコアが、自分の客観的な英語レベルの証明となります。

通常「TOEIC」と言われる時には、「TOEIC Program」の中の「TOEIC Listening & Reading Test」を指すのが一般的です。このテストは、リスニング(約45分間、100問)とリーディング(75分間、100問)で構成され、形式はマークシート方式、スコアは10~990点の5点刻みで表示されます。

「TOEIC Listening & Reading Test」をはじめとした「TOEIC Program」で高得点を取れば、就職活動の際に英語力の高さをアピールできたり、海外赴任や昇進・昇格の条件をクリアできたりする可能性が高まるでしょう。

ここからは本記事でも、「TOEIC Listening & Reading Test」(以降「TOEIC」)にフォーカスして勉強法を説明していきます。

TOEICのおすすめ勉強法1【準備】

TOEICの勉強に取りかかる前にぜひやっておきたい、3つの準備事項について説明しましょう。

自分の現在の英語力を知る

まずは、自分の現在の英語レベルを知るところから始めましょう。過去問や本番形式の演習問題を解いて自己採点をすれば、現時点でのスコアレベルが分かります。

問題を解く時は、本番と同じ時間で解いてみてください。また、分からない場合は適当にマークすると偶然に正解してしまう可能性があるため、未回答にしておくといいでしょう。

さらに、苦手だと感じた分野や、問題の傾向も把握しておくといいですね。

目標スコアを決める

今の自分の英語レベルが分かったら、それよりやや高めのレベルで目標スコアを設定しましょう。

一足飛びに高得点を狙ったり、目標があいまいなまま勉強を進めたりすると、途中で挫折するおそれがあります。現在の英語力を踏まえ、無理なく目指せる少し背伸びした目標を設定することをおすすめします。

なお、スコアごとの具体的な英語能力の目安は以下の通りです。自分の現在の英語レベルと照らし合わせながら、目標設定の参考にしてください。

  • 400~495点:ゆっくり話してもらえば、近隣の場所への道順を理解できる。簡単なはがきや案内用看板、交通機関の時刻表を見て理解できる。
  • 500~595点:自己紹介の文章を読んで、相手の人となりが分かる。自分宛ての仕事上のメモを読んで理解できる。
  • 600~695点:英字新聞に書かれていることが分かる。会議のアジェンダ、自社製品のカタログ・パンフレットを読んで理解できる。
  • 700~795点:空港のアナウンスや、入国管理官からの質問を聞いて理解できる。会議のレジュメやプレゼン資料、業務レポートを理解できる。
  • 800~895点:専門分野のビジネスプレゼンの内容を聞き取れる。政治・経済などのニュース誌を読んで理解できる。
  • 900~990点:テレビニュースや専門分野の講義、議論を聞いて理解できる。質疑応答まで対応可能。

受験日を決めて申し込む

TOEICの試験は、毎月1~2日程度実施されています。TOEICの公式サイトで試験日程を確認して、勉強時間をしっかりと取れるよう、2~3カ月ほど先の試験日を選択しましょう。

なおTOEICのスコアを、成績反映のために学校へ提出したり、就職活動の履歴書に記載したり、昇格試験のために会社へ申告したりする予定がある場合は、期日に間に合うよう試験日を決めてください。スコアが確認できるのは、試験日の17日後からです。スコアが書かれた公式認定証は、デジタルのものは19日後に確認でき、紙のものは試験後30日以内の発送となります。

試験日を決めたら、受験の申し込みをしましょう。申し込みと支払い手続きは、TOEICの公式サイト上で行えます。申し込みの締め切り日は試験日の約40日前です。正確な日付を確認の上、期間内に申し込みを済ませてください。

TOEICのおすすめ勉強法2【基本的な勉強方法】

TOEICの基本的な勉強方法

ここからは、TOEICで目標スコアを取得するためにおすすめの、基本的な勉強法を紹介します。

【単語】頻出単語を押さえる

TOEICの勉強で欠かせないのは、語彙力を強化することです。知らない単語は読むことも聞き取ることもできませんので、まずは頻出単語から押さえましょう。

TOEICでよく出る単語が収録された単語集などを活用して、1日10~20語を目安に少しずつ覚えていくのがおすすめです。単語アプリを使い、クイズ形式で覚えるのも効果的でしょう。空いた時間に少しずつ単語学習に取り組んで、語彙を増やしていってください。

【文法】基本的な文法をマスターする

TOEICの勉強では、文法をマスターすることも欠かせません。TOEICでは、文法を直接問われる問題もありますし、長文問題でも文章全体の意味を正確にとらえるには、文型をはじめとした文法の知識が重要です。

文法の基礎が丁寧に解説された参考書などを使い、中学~高校レベルの基本的な文法をしっかりと身につけましょう。

【リスニング】シャドーイングとディクテーション

リスニングが苦手な方もいるかもしれませんが、TOEICはリスニング・リーディングともに495点満点のため、高得点を目指すにはリスニング対策が必須です。

リスニングの効果的な勉強には、シャドーイングやディクテーションがあります。

シャドーイングとは、英語を聞きながら追いかけるように発音する勉強法です。聞こえた英文を自分で正しく発音できる時は、単語の発音と意味が頭の中で結び付いている場合が多いもの。この状態を目指し、英文を繰り返し聞いて耳を英語に慣れさせましょう。

ディクテーションとは、英語を聞きながら文字を書き起こす勉強法です。リスニング力を鍛えられるのはもちろん、聞き取れなかった部分から自分の理解不足にも気づけるので、語彙や文法の定着度を確認するのにも役立ちます。

【リーディング】読むスピードを上げる

TOEICのリーディングでは、75分間で100問も解く必要があり、1問に時間をかけすぎると最後まで解答できないおそれがあります。

そのため、TOEICのリーディング対策では、英文を早く正確に読み取る力を養うことが重要です。頻出単語や文法をしっかりと覚え、文章を見た瞬間に意味が浮かぶようになることを目指しましょう。

勉強中に分からない単語や文法が出てきたら、面倒でもその都度意味を確認するのがおすすめです。着実に知識を蓄えていくことで、英文を読むスピードと理解力の向上につながります。

【本番対策】過去問を本番と同じ時間設定で解く

過去問や本番形式の問題集を試験と同じ時間設定で解き、TOEICのテスト形式に慣れておくことも大切です。

どんなに英語力が身についても、問題の形式に慣れていなければ実力を発揮できない可能性があります。また、TOEICの問題用紙は解答方法の指示を含めてすべて英語で書かれており、不慣れなまま本番を迎えると戸惑ってしまうおそれもあるのです。

実践練習を何度も行えば、集中力の保ち方や、時間配分の仕方、問題を解く順番などについても、自分に合った方法が見えてくるでしょう。

TOEICのおすすめ勉強法3【目標スコア別】

次は、目標スコア別におすすめのTOEIC勉強法を紹介します。

600点を目指すための勉強方法

TOEIC600点は、英語中級者レベルのスコアです。600点を突破すれば、就職活動や昇進試験などで英語力をアピールできるようになる上、TOEICの平均点も約600点なので、初めて受験する人が目標としやすいスコアだと言えるでしょう。

TOEIC600点を目指す上で大切なのは、英語の基礎力をしっかりと固めることです。中級者向けの単語集などで頻出単語や重要単語を覚え、語彙力を高めましょう。文法については、少なくとも中学レベルの内容をマスターすることを目指します。

語彙を増やし、基礎的な文法の知識をつければ、英文の理解がスムーズになり、読むスピードも自然と上がります。結果として、解ける問題が増え目標スコアにも近づきやすくなるでしょう。

もし英語に苦手意識がある場合は、毎日少しずつでも英語を読んだり聞いたりして、英語に慣れることをおすすめします。

700点を目指すための勉強方法

英語中上級レベルのスコアであるTOEIC700点を目指すには、語彙力をさらに強化することが重要です。頻出単語を、関連語や例文、発音、アクセントと一緒に覚えていくとよいでしょう。

文法は、高校レベルの内容をマスターすることを目標にします。前置詞・副詞・接続詞といった品詞の理解も深めると、文法問題で点を取りやすくなるのでおすすめです。

700点を目指すには、1問でも多く解いて得点につなげる必要があります。読むスピードを上げるため、制限時間を決めて英語の記事などを読む練習を日常的に行いましょう。過去問や模試を積極的に活用し、時間配分を意識しながら全問解答を目指す練習を重ねることも重要です。

800点を目指すための勉強方法

英語上級レベルのTOEIC800点を目指すには、苦手分野をなくすことが大事だと言えます。得意分野だけでは高得点を狙いにくいので、どの分野でも安定的に正解できるよう、間違えやすいところは繰り返し問題演習をして、しっかりと苦手をつぶしていきましょう。

また、TOEIC800点を目指すには語彙のさらなる強化が求められます。大学受験で必要な英単語数が約5,000語であるのに対し、TOEIC800点を取るには約8,000語も必要です。800点を目指す人向けの単語集やアプリなどを活用し、コツコツ覚えていきましょう。

そして、読解のスピードアップも重要です。最後まで解答できるよう、日頃からたくさんの英文を読んで英語に慣れるとともに、時間を計りながら問題を速く解く練習をしましょう。

900点を目指すための勉強方法

英語最上級レベルで、受験者全体の約4%しか到達できないTOEIC900点を目指すには、少しでも苦手な分野を徹底的につぶすことが肝心です。得点を逃しがちな分野や解くのに時間がかかる分野のほか、手こずりやすいひっかけ問題なども、繰り返し解いて慣れるようにします。

語彙力の強化もいっそう重要となります。TOEIC900点を取るのに必要な単語数は、10,000語以上です。分からない単語が1つでもあると読解のスピードや正答率が落ちるので、英語最上級者向けの単語集を使い効率よく覚えることをおすすめします。

そして、全体的に問題を解くスピードを上げて見直しの時間を作り、ケアレスミスを減らして高得点につなげていきましょう。

TOEICのおすすめ勉強法4【教材選びのコツ】

TOEICの勉強をするにあたっては、適切な教材を選ぶことも重要です。TOEIC教材の上手な選び方について説明します。

TOEIC対策専用の教材を使う

TOEICで目標のスコアを取るためには、TOEIC専用の参考書や問題集を使うことが重要です。

中には、学生時代の参考書などを流用しようと考える人もいるかもしれませんが、それだけではTOEIC対策としては不十分だと言えます。なぜなら、TOEICで高いスコアを取るには、独特の出題形式にしっかりと慣れる必要があるからです。

中高生レベルの一般的な英文法書などを使って英語の復習をするのは構いませんが、必ずTOEIC専用の教材もプラスして対策をしていきましょう。

目標スコアに合った教材を使う

TOEICの勉強をする際は、自分の現在の英語力や目標スコアに合った教材を選ぶようにしましょう。個々の英語レベルや目標によって、やるべき勉強の内容が変わってくるからです。

例えば、現在のTOEICスコアが500点で600点を目指したい人が、満点を目指す人向けの参考書や問題集を使っても、基礎部分の解説が薄くて実力がつきづらかったり、難易度が高すぎて挫折してしまったりするおそれがあります。逆に、900点を目指す人が初心者向けの教材を買っても、物足りないばかりか高得点を取るのには役立ちにくいでしょう。

TOEICの教材は、初級・中級・上級といったレベルや目標スコアの表示を参考にしながら、今の英語力と目標スコアに合ったものを選んでみてください。

最新の教材を使う

TOEICの教材は、できる限り新しいものを使用しましょう。

TOEICでは、出題の形式や傾向が変わることがあります。そのため、何年も前に作られた古い教材を使っても、直近の出題傾向に対応した対策が行えず、目標スコアに到達できないおそれがあるのです。

TOEICの教材を買う時は、出版年をよく確認した上で最新のものを選ぶとよいでしょう。

アプリや動画も活用する

TOEIC対策においては、紙の参考書だけでなくアプリや動画などの教材も積極的に活用しましょう。

紙の教材には書き込みができるといったメリットがありますが、電車の中などの狭い場所で勉強する際やリスニング対策をする時には、アプリのほうが適しているでしょう。また、参考書でよく分からなかった内容について理解を深めるには、英語講師などによる解説動画が役に立ちます。

スマホやタブレットで気軽に勉強できるというのも、アプリや動画の良いところです。紙の参考書と併用しながら、その時の環境や気分に合わせて、デジタル教材も便利に活用していきましょう。

TOEICのおすすめ勉強法5【効率アップのポイント】

ここからは、限られた勉強時間で目標スコアの達成を目指す方のために、TOEICの勉強を効率よく進めるための大事なポイントをお伝えします。

スキマ時間を活用する

仕事や学業で忙しくまとまった勉強時間を確保するのが難しい人は、スキマ時間で勉強する癖をつけましょう。

例えば、通勤電車に乗っている時間、昼食をとり終えた後の昼休みの残り時間、次の予定の前の空き時間などに、ついなんとなくSNSを見る代わりに小さな単語帳やTOEIC学習用のスマホアプリを開いてみてください。

一度に数分しか勉強できなくても、積み重ねればたくさんの勉強量になり、目標スコアに近づけるはずです。

決まった時間に勉強する

イレギュラーな用事が発生した日でも必ずTOEICの勉強に取り組めるよう、毎日決まった時間を勉強に充てるようにしましょう。

おすすめは、朝に少し早起きをして確実に勉強時間を確保することです。夜は飲み会が入る可能性があったり、仕事が何時に終わるか分からなかったりするものですが、早朝なら突発的な用事も人からの連絡もあまりなく、集中して勉強に取り組めるでしょう。

また、「電車に乗っている時間は、必ず単語の勉強をする」など、決まった時間に勉強する習慣をつけるのも効果的です。毎日同じ時間帯に勉強することを習慣化すれば、「忙しいから勉強できない」などの言い訳をすることなく、無意識にTOEICの勉強に取り組めるようになります。

TOEICのおすすめ勉強法6【大学生・社会人向け】

TOEICの大学生・社会人向けの勉強方法

学業や仕事と並行してTOEICの勉強をする大学生・社会人の方に向けて、おすすめの勉強方法を紹介します。

大学生におすすめの勉強方法

大学生がTOEICの目標スコアの達成を目指すには、勉強を後回しにせず、決まった時間に勉強をする習慣をつけることが重要でしょう。

中には、比較的時間に余裕があるために「後でやればいいや」と思ってしまう大学生もいるかもしれません。ですが、先延ばしが癖になってしまうと十分な準備ができなくなるので、毎日必ず勉強するようにしましょう。

時間があることを利用し、海外ドラマを英語音声+英語字幕で見るなどして、楽しみながら英語に慣れるのもおすすめ。その際、聞き流したりストーリーばかりに熱中したりしては意味が薄れますので、「英語を理解しよう」という意識が大切です。

また、大学の授業でTOEICに役立ちそうな講義がある場合は、積極的に受けてみるのもいいでしょう。

社会人におすすめの勉強方法

社会人がTOEICの勉強をする上では、スキマ時間を有効活用することが鍵となります。

社会人の場合、仕事が忙しくて自由時間が少なく、まとまった勉強時間を取るのがなかなか難しいケースが多いものです。ですから、通勤時間中や昼休み中などのスキマ時間を使い、TOEIC対策を着実に進めていきましょう。

一回の勉強時間は短くても、積み重ねればそれなりの時間になります。電車内など教材を広げるのが難しい場所では、TOEIC対策に特化したスマホアプリを積極的に活用するのがおすすめです。

そして、平日にはスキマ時間中心の勉強を行う一方で、休日には本番と同じ時間設定で過去問を解くなど、まとまった時間が必要な勉強に優先的に取り組むとよいでしょう。

まとめ|勉強法のポイントを押さえてTOEICの目標スコアを目指そう

この記事では、TOEICのおすすめの勉強法をスコア別に詳しく説明しました。

TOEICで目標のスコアを目指すには、自分の現在の英語力を把握した上で、単語や文法、リスニング、リーディングの基本的な対策方法を押さえ、スコアに合った方法で勉強を進めることが大切です。適切な教材を選び、スキマ時間も上手に使いながら勉強を習慣化することも欠かせません。

この記事で紹介した勉強方法を参考にしながら、自分に合ったやり方で学習を継続し、TOEICの目標スコア達成を目指しましょう。

※TOEICはEducational Testing Service(ETS)の登録商標です。