資格の種類には何がある?ジャンル別のおすすめ資格も紹介

資格の種類には何がある

みなさんのなかには、「資格を取りたいけど、何を選べばよいかわからない」「資格にはどのようなジャンルがあって、何が人気なのかを知りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

資格は、特定の分野で高い知識・スキルを身に付けていることの証。就職・転職活動でも有利に働く可能性があるので、積極的に挑戦したいですよね。とはいえ、その種類は多岐にわたり、受験資格や試験内容もさまざまなので、「何を選ぶか」で迷う気持ちもわかります。

そこで当記事では、資格をジャンルごとに分類した上で、それぞれの代表的な資格を紹介します。各ジャンルの特徴や取得するメリットなども解説するので、独学で資格取得を目指す方はもちろん、通信講座・スクールなどの受講を考えている方も、自分に合った資格を探す際の参考にしてください。

資格は「国家資格」と「民間資格」の2種類!

資格は、「国家資格」と「民間資格」に大別され、それぞれ認定する主体や法律上の定めが異なります。

国家資格 法律や条例に基づいて国や地方公共団体などが認定する資格で、法律の規定により業務独占資格、名称独占資格、設置義務資格、技能検定に分類されます。代表的な資格は、医師、弁護士、会計士などです。
民間資格 公益法人をはじめとする各種団体、民間企業などが独自に認定する資格で、ビジネス関連から趣味・娯楽関係まで、幅広い種類が存在します。

かつては国家資格と民間資格の中間に位置するものとして、「公的資格」がありました。公的資格は国の基準(民間技能審査事業認定制度)に基づいて民間団体が実施する資格制度でしたが、現在は多くが廃止、または公的機関の後援を受けた民間資格へと移行しています。

(出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「第2章 職業に関する資格の現況と動向」

【ジャンル別】資格の種類

ジャンル別資格の種類

資格には、法律・会計系や医療系、IT系、美容・ファッション系など、さまざまなジャンルがあります。ここでは分野ごとに、代表的な資格・初心者でも目指しやすい資格を紹介するので、資格選びに迷ったときの参考にしてください。

法律・法務系

法律・法務系の資格を取得することで、専門的な法律知識やビジネスの現場で必要とされる知識(契約書まわりの知識やコンプライアンス管理、組織法務など)が身に付きます。法律・法務の知識は、業界や業種を問わずさまざまな職場で活用できるため、就職・転職の自己アピールにも役立つでしょう。

<代表的な資格>

  • 行政書士
  • ビジネス実務法務検定Ⓡ
  • ビジネスコンプライアンス検定
  • 個人情報保護士
  • 知的財産管理技能士

会計・財務系

会計・財務系の資格を取得することで、財務会計、監査、税法などの幅広い知識・スキルが身に付きます。経理職を目指す方はもちろん、経理人材としてのキャリアアップを考えている方にも役立つ分野といえるでしょう。

<代表的な資格>

  • キャリアコンサルタント
  • メンタルヘルス・マネジメント検定
  • ビジネスキャリア検定
  • 人事総務検定

経営・労務系

経営・労務系の資格では、企業経営の基本知識や労働法規、組織マネジメントに関するスキルなどが身に付きます。人事・労務・総務の業務に直結するほか、経営視点を持つ管理職としてのキャリア形成にも生かせるでしょう。

<代表的な資格>

  • キャリアコンサルタント
  • メンタルヘルス・マネジメント検定
  • ビジネスキャリア検定
  • 人事総務検定

オフィス・事務系

オフィス・事務系の資格では、資格取得の勉強を通じてビジネスマナーやパソコンスキル、文書作成能力など、事務職に必要なスキルを体系的に学べます。比較的合格率が高い資格が多いので、未経験から事務職を目指す方にもおすすめです。

<代表的な資格>

  • MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
  • 秘書検定
  • 文書情報管理士

IT・情報処理・Web系

IT・情報処理・Web系の資格取得を通じて、ビジネスに欠かせないITの基礎知識やプログラミング、情報管理などの知識を幅広く学べます。多くの企業でIT化・DX化が進むなか、そうした知識・スキルは、システムエンジニアや社内SEだけでなく、多様な職種で必要とされるでしょう。

<代表的な資格>

  • ITパスポート
  • 基本情報技術者試験
  • 情報セキュリティマネジメント試験

語学系

語学系の資格は、外国語の読み書き、会話などの実践的なスキルを身に付けていることの証明になります。企業によっては、一定の語学力が採用条件となる場合もあるため、就職・転職シーンでも役立つでしょう。加えて、学習意欲や国際感覚のアピールにもつながります。

<代表的な資格>

  • TOEIC®L&R TEST
  • 中国語検定
  • ドイツ語技能検定
  • 実用フランス語技能検定
  • スペイン語技能検定

不動産・賃貸系

不動産・賃貸系の資格を取得することで、物件の売買・賃貸仲介・管理・投資など、不動産に関する幅広い知識が身に付きます。複数の資格を組み合わせることで、業務の幅がぐんと広がるため、興味のある方は挑戦してみるのもよいでしょう。

<代表的な資格>

  • 管理業務主任者
  • 宅地建物取引士
  • 賃貸不動産経営管理士
  • マンション管理士

建築・土木系

建築・土木系の資格では、住宅やビルのほか、道路、橋梁といったインフラ設備の設計・施工・管理に必要な知識とスキルが習得できます。現場作業や設備の管理・点検を行う際、法的に資格保有が求められるケースも多いため、就職・転職はもちろんキャリアアップにも有利に働くでしょう。

<代表的な資格>

  • 建築士
  • 技術士
  • コンクリート技士
  • 土木施工管理技士
  • 建設機械施工技士

車両・運輸系

車両・運輸系の資格は、物流、交通、運送など、物や人を安全かつ効率的に運ぶ分野で役立ちます。自動車整備士や運行管理者などは、建設現場や製造業の現場でも重宝されるでしょう。

<代表的な資格>

  • 運行管理者
  • 自動車整備士
  • フォークリフト運転技能講習修了証
  • 自動車検査員
  • 中古自動車査定士

航空系

運輸業のなかで、航空機の操縦・整備・運航管理など、安全かつ正確な空のサービスを支えるのが航空系の資格です。操縦士や航空整備士(航空運航整備士や航空工場整備士)、運航管理者、航空無線通信士などには、国家資格が求められます。

<代表的な資格>

  • 航空整備士
  • 航空運航整備士
  • 航空工場整備士
  • 航空無線通信士
  • 運航管理者

船舶系

船舶系の資格は、海上での安全かつ円滑な航行に必要な知識・技術を証明する資格です。航海・機関・通信などの専門分野に分かれ、取得することで船長や航海士、機関士、通信士といった職種に就くことができます。

<代表的な資格>

  • 小型船舶操縦士
  • 海技士
  • 遊漁船業務主任者

無線系

航空・海上・陸上などの幅広い分野で、無線通信設備を扱うための資格です。無線従事者としての知識と技術を証明でき、放送局や電気通信事業関係、船舶・航空会社、官公庁など、さまざまな分野で活躍できます。

<代表的な資格>

  • 陸上特殊無線技士
  • 海上無線通信士
  • 航空特殊無線技士
  • アマチュア無線技士

工業・技術・技能系

製造現場や建設現場において、機械や設備の検査・点検・保全・安全管理などを行うための資格です。一般的に知られていない資格も少なくありませんが、専門性が高く、工業関連の現場にはなくてはならない存在です。

<代表的な資格>

  • 危険物取扱者
  • 機械保全技能士
  • ボイラー技士
  • 毒物劇物取扱責任者

電気系

電気系の資格は、建物や設備の電気工事・保守・管理などを行う上で欠かせない資格です。電気・設備系の施設や機械は、住宅やビル、工場、インフラ施設など多くの場所に設置されているため、資格を取得すれば、幅広い職場で活躍できるでしょう。

<代表的な資格>

  • 電気工事士
  • 電気主任技術者
  • 電気工事施工管理技士
  • 工事担任者

医療系

人の命や健康に直接関わるため、医療系の資格の多くは、高い知識・技術を証明する国家資格となっています。そうした資格を取得するには、専門の教育を受けた上で国家試験に合格しなければなりませんが、医療や製薬、福祉、美容など、活躍の場は多岐にわたります。

<代表的な資格>

  • 看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 薬剤師
  • 診療放射線技師
  • 臨床検査技師
  • 医療事務

介護・福祉系

介護・福祉系の資格を取得することで、高齢者や障害者など、日常生活に支援が必要な方をサポートするための知識・技術が身に付きます。資格取得に向けた学習では、実際の介護技術のほか、尊厳を守るケアのあり方や介護保険制度など、幅広い内容を習得します。

<代表的な資格>

  • 介護職員初任者研修
  • 実務者研修
  • 介護福祉士
  • 介護支援専門員(ケアマネジャー)

心理・メンタル系

心理・メンタル系の資格では、メンタルヘルスやメンタルマネジメント、ストレスケアなどに関する知識と技能が習得できます。専門性の高い知識・スキルが身に付くため、医療や介護、福祉、教育、企業地域支援など、さまざまな分野で活躍できるでしょう。

<代表的な資格>

  • 臨床心理士
  • 認定心理士
  • 公認心理師
  • 産業カウンセラー
  • メンタル心理カウンセラー

接客・サービス系

資格取得を通じて、顧客対応に必要なビジネスマナー、コミュニケーション能力などを体系的に学べます。飲食業やホテル業、小売業、観光業などで求められる知識・スキルが身に付くため、就職・転職の強みとなるでしょう。

<代表的な資格>

  • サービス接遇検定
  • 接客サービスマナー検定
  • レストランサービス技能検定
  • ホテルビジネス実務検定試験
  • リテールマーケティング(販売士)検定

飲食・調理系

飲食・調理系の資格では、栄養学や調理技術、衛生管理など、食に関する幅広い知識と実務スキルを習得できます。資格を取得することで、レストランや宿泊施設、給食施設、食品製造業界といった幅広い職場で活躍できるほか、独立開業の道も開けます。

<代表的な資格>

  • 栄養士
  • 調理師免許
  • 製菓衛生師
  • フードコーディネーター
  • 食生活アドバイザー®

美容・ファッション系

美容・ファッション系の資格では、美容や服飾に関する専門知識・技術が習得できます。さまざまな学びを通じて自身の美意識を高めつつ、プロとしての第一歩を踏み出せるでしょう。近年は、資格を活用して介護・福祉業界で活躍する人も増えています。

<代表的な資格>

  • 美容師免許
  • ネイリスト技能検定
  • 日本メイクアップ技術検定試験
  • 認定エステティシャン
  • ファッション販売能力検定

デザイン・クリエイティブ系

Webやグラフィックデザインの基礎知識、色の表現方法、デザインソフトの操作方法など、幅広い知識・スキルが学べます。資格取得後はグラフィックデザイナーやWebデザイナー、プロダクトデザイナーなどへの道が広がるでしょう。

<代表的な資格>

  • Webデザイナー検定
  • 色彩検定
  • Photoshopクリエイター能力認定試験
  • Illustratorクリエイター能力認定試験
  • CGクリエイター検定

自然・環境系

環境改善や環境保全、エネルギー管理、生態系など、自然・環境分野の専門知識を体系的に学べる資格です。資格を取得することで、公的機関や製造業、環境コンサルティング、森林管理など、さまざまな業界で活躍できるでしょう。

<代表的な資格>

  • 公害防止管理者
  • 環境計量士
  • ビオトープ管理士
  • 森林インストラクター
  • 樹木医

動物・ペット系

動物・ペット系の資格を取得することで、犬や猫をはじめとする動物の飼育や訓練、健康、医療・看護などに関する専門的な知識と技術が習得できます。ペット業界での就職や独立開業を目指せるだけでなく、家庭でのペットケアにも活用できるでしょう。

<代表的な資格>

  • 愛玩動物看護師
  • トリマー
  • ペットシッター士
  • ドッグトレーナー
  • ペット栄養管理士

公務員・教育系

公務員・教育系の資格を取得することで、行政職や教育職、福祉職に必要な知識と専門性が身に付きます。子どもと関わる職種では、責任感と専門スキルが求められますが、その分大きなやりがいを得られるでしょう。

<代表的な資格>

  • 保育士
  • 小学校教諭免許状
  • 養護教諭免許状
  • 地方公務員試験
  • 学校図書館司書教諭

人気のある資格・取りやすい資格の種類は?

近年は、実務で役立つ民間資格や、キャリアアップに直結する国家資格が人気です。特に日商簿記検定とTOEIC®L&R TESTは、業種を問わず評価が高く、履歴書にも記載しやすいことから、取得者の多くが「取ってよかった」と感じているようです。

また、専門性が高く独立もしやすい士業資格(行政書士や税理士、社会保険労務士など)も、注目度が高い傾向にあります。

一方、MOSやITパスポートなどは、1〜3か月程度の学習期間で取得できるため、「実用的で取りやすい資格」とされています。医療系や介護・祉系の資格も人気で、医療事務や登録販売者のように比較的難易度が低く、働きながら取得できる資格が高い支持を集めています。

あわせて読みたい

まとめ

資格は国家資格と民間資格の2つに大別され、それぞれに認定する主体や法律上の定めが異なります。国家資格は特定の職業に従事する際に必須となる場合が多く、民間資格は専門知識やビジネススキルの証明として広く利用されています。

また、資格のジャンルは多岐にわたり、実務に直結するものから自己啓発に適したものまでさまざまです。知識・スキルの習得だけでなく、就職や転職、スキルアップを後押しする強力なツールにもなり得るので、目的を明確にした上で、キャリアプランやライフプランに合った資格を選びましょう。

※当記事は2025年4月時点の情報をもとに作成しています
※掲載内容について情報が更新されている場合がありますので、必ず公式サイトにて最新情報を確認してください