道路に三脚を立ててるあの人、何しているの? 6月3日は測量の日

 6月3日は「測量の日」

道路や住宅地などに三脚を立て、カメラのような機械をのぞいている人を見掛けて「何をしているのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。よく見ると、機械の先にもう1人いて、棒を持って立っています。あれは「測量」という作業をしているのです。

この測量について、あまりなじみのない方も多いかもしれませんが、実は私たちの暮らしの安全を守るための、非常に大切なもの。

そんな測量を考えるきっかけとなるのが、6月3日の「測量の日」です。この記事では、関連資格についても紹介します。

6月3日は「測量の日」

6月3日は「測量の日」

6月3日の「測量の日」は、建設省(現・国土交通省)が定めた記念日です。測量法が公布された1949(昭和24)年から満40年となったことを記念し、1989(平成元)年に制定されました。

測量にはいくつかの種類があり、どれも国民生活の安全や快適性のために、重要な役割を担っています。具体的には、土地の形状や地面の傾斜、位置関係などを測って、道路・トンネルといった公共物の工事に生かしたり、ハザードマップ・都市計画用の地図の作製に利用したりします。

しかし、実際にそういった事実を知っている方は、そこまで多くないでしょう。測量成果が不適切に扱われている問題が生じているケースもあり、国民に測量の意義や重要性への理解、そして知識を広げてもらうことを目的に、この記念日がつくられました。

記念日制定以降、この日は全国各地で、測量に関連するさまざまなイベントが実施されています。

測量を行うための国家資格「測量士資格」「測量士補資格」とは

測量法では、技術者として基本測量、又は公共測量に従事する者は、測量士又は測量士補でなければならない、と定めています。

測量士や測量士補になるためには、国家資格である「測量士資格」「測量士補資格」を得る必要があり、測量法および測量法施行令に基づき行われる「測量士試験」「測量士補試験」に合格すると、これを取得できます。

試験は年1回(例年5月)行われ、学歴や年齢・性別・実務経験などを問わず、誰でも受験可能です。各試験では測量士もしくは測量士補となるのに十分な知識・能力を保有しているかが試されます。

また試験を受けず、以下のように、特定の課程を修めることで資格を取得する方法もあります。

【測量士補資格】

  • 大学で測量科目を修め卒業
  • 短大・高専で測量科目を修め卒業
  • 登録養成施設で専門の知識および技術を修得
  • 学位授与機構で学士の学位を授与し、測量科目を履修

【測量士資格】

  • 大学で測量科目を修め卒業+実務経験1年(225日以上)
  • 短大・高専で測量科目を修め卒業+実務経験3年(675日以上)
  • 登録養成施設で専門の知識および技術を修得+実務経験2年(450日以上)
  • 学位授与機構で学士の学位を授与し、測量科目を履修+実務経験1年(225日以上)
  • 測量士補であり、登録養成施設で高度の専門の知識および技術を修得

いずれのパターンも、資格取得後に国土地理院が保有する名簿への登録が必要です。

測量士・測量士補までの道のりは長いですが、資格取得・登録後は、人々の暮らしを支える誇りと共に、多岐にわたって活躍できる可能性があるでしょう。