簿記2級の勉強時間の目安は?スケジュール例や勉強法、難易度も紹介

簿記2級の勉強時間の目安は? スケジュール例や勉強法、難易度も紹介

簿記2級に挑戦するにあたって、「どのようにスケジュールを立てて、どのくらい勉強すれば合格できるのか」で悩む方も多いでしょう。

本記事では、日商簿記検定試験2級の合格に必要な勉強時間や、効率的な勉強の仕方を紹介します。簿記2級の一発合格を目指す人に向けて、役立つ情報をまとめてあるので、ぜひ参考にしてください。

日商簿記2級とは?3級との違いも解説

ここでは、日商簿記2級の基本的な情報や、3級との違いを解説します。

簿記2級とは

簿記3級が経理、会計に必要な基礎知識を習得する資格なのに対して、簿記2級ではより複雑な仕訳や財務諸表の作成方法、決算処理の知識などが求められます。また、簿記3級は「商業簿記」のみですが、2級からは「工業簿記」が追加されます。

経理・会計に必要な幅広い知識や技能が身に付くため、合格すれば製造業を含めた幅広い業界で重宝されるでしょう。

なお、試験を主催する日本商工会議所では、簿記2級を「高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル」としています。

簿記2級の試験範囲

簿記2級の試験科目は商業簿記と工業簿記です。

簿記2級の試験は、第1〜第5問の5つの問題で構成されており、出題傾向と配点は以下の通りです。

問題 出題内容 配点
第1問 商業簿記の仕訳問題 20
第2問 特定分野に関する問題(連結会計、株主資本等変動計算書など) 20
第3問 決算整理に関する問題(損益計算書、貸借対照表、本支店会計など) 20
第4問 工業簿記の仕訳/製造原価報告書の作成問題(個別原価計算・総合原価計算・部門別原価計算など) 28
第5問 各種原価計算の全額計算(直接原価計算、標準原価計算差異分析など) 12

上記はあくまでも傾向なので、商業簿記・工業簿記の仕組みや理論を理解し、さまざまな問題に対応できるよう準備することが大切です。

簿記2級の難易度

簿記2級の難易度

簿記2級の合格基準は100点満点中70点以上で、配点は商業簿記が60点、工業簿記が40点となっています。

2級の統一試験(ペーパー試験)の合格率は変動が大きく、2023年11月に行われた第165回では11.9%だったのに対して、2024年11月の第168回は28.8%でした。

問題の難易度に関係なく安定した得点を獲得するには、基礎をしっかり理解し、応用問題に対応できるだけの知識を身に付ける必要があるでしょう。

簿記3級を飛ばして2級を受けることは可能?

日商簿記には受験資格がないため、簿記3級を飛ばしていきなり2級に挑戦できます。

ただし、2級の試験問題は範囲が広いうえに、3級の内容が理解できていることを前提に構成されています。そのため、簿記に触れたことがない初学者が合格を目指すのは、難易度が高いでしょう。

一方、3級を取得してはいないものの、会社の経理で仕訳の基本を理解している人などは、2級から挑戦しても良いかもしれません。

2級と3級は併願が可能なので、学習の効率を高めたい場合は、同時受験するのも1つの方法です。必要に応じて検討してみてください。

日商簿記2級合格のための勉強時間の目安

以下では、日商簿記2級に合格するための勉強時間の目安を紹介します。

経験者の場合

簿記経験者が2級に挑戦する場合、一般的には独学で150~250時間程度、通学・通信講座を利用する場合は、100~200時間の勉強時間が必要とされています。

独学で挑戦するなら、勉強の期間は4~6カ月程度見ておくと良いでしょう。6カ月を180日と仮定した場合、1日あたり60〜90分間の勉強を毎日続ければ、180~270時間の勉強ができる計算です。

初心者の場合

簿記初心者が2級に挑戦する場合、独学なら300~350時間程度の勉強時間が必要とされています。

毎日120分程度の学習を続けた場合、計算上は6カ月程度でクリアできますが、独学の場合、わからない問題があっても自分で解決しなければなりません。そのため、さらに時間がかかる場合もあるでしょう。

簿記2級の独学での勉強のポイント

ここからは、独学で簿記2級の合格を目指す際のポイントを紹介します。

(1)余裕のあるスケジュールで臨む

2級の受験を決めたら、まずは挑戦する試験日程を定めて、早めに勉強に取り組みましょう。特に社会人の場合は思うように時間が取れないことも多いため、早めの着手が肝心です。

難易度が高く学習範囲も広い2級は、多くの勉強時間が必要ですが、受験日が明確になれば勉強の計画を立てやすくなります。

スケジュールに余裕があれば、つまずいたりモチベーションが下がったりしてもカバーできるため、焦らずに学習を進められるでしょう。

(2)新しく学ぶ分野は早めに着手

3級にはない工業簿記は、2級で新たに学ぶ分野です。そのため、専門用語や仕訳処理の違いにつまずく人も多く見られます。試験日までに必要な知識・技能を習得するためにも、後回しにせず早めに着手しましょう。

工業簿記が苦手な場合は、勘定連絡図などを使って商品の仕入れから製造、販売までの「全体の流れ」を理解することから始めるのがおすすめです。

(3)3級の内容を復習し、完璧にしておく

工業簿記は、商業簿記で学ぶ仕訳や勘定科目、財務諸表の基本ルールを把握していないと理解できません。

3級の合格から期間が空いている人や、久々に学習を再開する人はあらためて3級の内容を復習し、商業簿記を基礎から振り返ってみるのも良いでしょう。復習する際は丸暗記するのではなく、仕組みや理論について理解を深めながら進めることが大切です。

(4)何度も演習問題を解く

簿記2級に合格するためには、多岐にわたる知識が必要です。しかし、簿記では理論だけではなく、実務的な能力も求められるため、一度学習しただけでは必要な知識が習得できません。

知識の定着を図るには、定期的な復習で忘れがちな部分を振り返ることと、演習問題で理解度を確認することが大事です。問題演習を繰り返すことで、理解が深まり、着実に知識が定着するでしょう。

知識を実践に活用できるまで、何度も演習問題を繰り返すこと。それが、2級合格への近道となるはずです。

(5)電卓は使いやすいものを選ぶ

簿記試験においては、電卓選びも大事です。2級では複雑な計算を行うこともあるため、使いやすい電卓を選び、操作に慣れておけば、計算ミスや入力ミスを軽減できます。

ちなみに、利き手とは逆の手で電卓が扱えると、鉛筆の持ち替えが不要になり、問題を解くスピードを上げられます。右利きの人は左手で、左利きの人は右手で操作する訓練を積んでおくのも良いでしょう。

2級合格に向けた効率的な勉強方法・流れ

ここでは、独学で2級合格を目指す場合の効果的な勉強方法を紹介します。

(1)テキストを読み、基礎知識をしっかり理解

独学で2級合格を目指すなら、まずは試験範囲の基礎知識を身に付けなければなりません。

初めて簿記検定に挑む人や3級の受験から時間が経過している人は、ある程度時間がかかっても、しっかりと基礎を固めましょう。1冊のテキストを読み込み、理解を深めてから実践練習に入るのが、結果的には近道になるはずです。

(2)繰り返し問題を解いて理解を深める

2級の合格を目指すには、繰り返し問題を解いて、知識や理解を深めることも大切です。最初はテキストを確認しながら解き、2回目からは何も見ずに解いてみるというステップを踏むことで、知識が定着しやすくなるでしょう。

また、たくさん解いて問題に慣れることは、苦手分野の発見にもつながります。時間を意識しながら解くようにすれば、本番でのペース配分もつかめるでしょう。

問題を解いていて間違えてしまった場合は、「なぜ間違えたのか」を明確にしたうえで、その場で解き直すことが大事です。それによって、確実に知識が深まるはずです。

(3)丸暗記はしない

簿記2級は、問題集の回答を丸暗記するだけでは合格できません。勘定科目や仕訳の流れなどは、ある程度暗記が必要ですが、合格するためには根本的な理論の理解が欠かせません。

用語をノートにまとめたり、暗記したりすることで満足せず、「どうしてそうなるのか」に重点を置いた学習を心がけましょう。考え方を理解しておけば、複雑な問題が出題されても、焦ることなく答えを導き出せます。

(4)苦手分野を作らないようにする

2級の合格を目指す場合は、苦手分野を作らないように学習を進めることも大切です。

たとえば、試験に頻出する「連結会計」は独学者がつまずきやすい傾向にあるので、理解するのに時間がかかるかもしれません。過去問を解く際は、間違えた問題に印を付け、間違ってしまった原因をつかみながら、一歩ずつ理解を深めていきましょう。

苦手な分野を集中的に学習し、正答率を上げることが、合格に近づくカギとなります。

(5)試験直前は、過去問題と予想問題を複数回解く

試験目前には、複数の過去問題と予想問題を解き、模擬試験も受けてみましょう。

過去問題は直近3回分に絞って対策すると効果的です。模擬試験は本番の練習にもなるため、繰り返し受験すると、当日も落ち着いて臨めるようになります。あわせて、時間配分の把握や、新たな苦手分野の発見の効果も期待できるでしょう。

2級の勉強方法についてより詳しく知りたい方はこちらもチェック

2級合格のためのスケジュール例

2級合格のためのスケジュール例

最後に、独学を想定した場合の2級合格に向けたスケジュール例を紹介します。

経験者の場合

前述したように、簿記の知識がある経験者は、150〜250時間程度の勉強時間が必要です。3カ月で合格を目指すことを想定した場合は、以下のようなスケジュールで学習を進めましょう。

【1カ月目:基礎を固める】
最初の1カ月は、商業簿記と工業簿記それぞれの基礎を固めましょう。商業簿記と工業簿記を同時並行して学習するよりも、商業簿記→工業簿記の順で1~2週間程度ずつ進めていくのがおすすめです。それぞれの分野ごとに、知識を蓄える「インプット」と、知識を利用して問題集を解く「アウトプット」を繰り返すと、効率的に理解を深められます。

【2カ目:応用問題や過去問題・模擬問題を解く】
2カ月目には、商業簿記と工業簿記の応用問題に取り組みましょう。過去問題や模擬問題を繰り返し解き、苦手分野の克服に努めてください。

【3カ月目:より実践的に模擬試験を行う】
3カ月目には、本番の試験に近い環境を意識しましょう。より実践的な模擬試験を受け、間違えやすい問題や知識・理解の偏りの有無を確認し、弱点をつぶしていくのがポイントです。

初心者の場合

簿記初心者が独学で2級に挑戦する場合、300~350時間程度の勉強時間が必要です。毎日2時間勉強しても6カ月程度を要するため、受験を決めたら早めに学習を開始しましょう。

【1~2カ月:基礎を固める】
最初の1〜2カ月は、商業簿記と工業簿記の基礎を固めましょう。簿記初心者は、商業簿記→工業簿記の順番で学習するのがおすすめです。「勘定科目や用語、仕訳の基礎を覚えたら、問題集を解いてみる」という作業を繰り返し、知識の定着と理解の深化を図ってください。

【3~5カ月:応用問題や過去問題・模擬問題を解く】
基礎が理解できたら、応用問題や過去問題を繰り返し解くことに集中しましょう。そうすることで、知識が定着するだけでなく、理解の浅い分野や苦手分野、ペース配分もつかめます。課題が明らかになったら、その都度テキストに戻るなどして、苦手克服に努めてください。

【6カ月目:より実践的に模擬試験を行う】
最後の1カ月は時間制限を設け、本番の試験に近い環境で過去問題に取り組みましょう。経験者と同様に模擬試験を受け、さらに理解を深めるのも効果的です。

まとめ|スケジュールに余裕を持って、2級合格を目指そう

簿記2級は、3級にはない工業簿記が加わり、かなり難易度が上がります。独学での合格も不可能ではありませんが、その場合は計画的に学習を進め、着実に理解を深めていくことが大切です。

受験を決めたら早めに学習を開始し、余裕を持ったスケジュールで簿記2級の合格を目指しましょう。

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