
社会人がキャリアアップを目指す際、英語資格の取得は大きな武器になります。しかし、英語の資格にはTOEICや英検、IELTSなど多くの種類があり、「どれを選べばいいかわからない」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
当記事では、英語資格を選ぶときに押さえるべきポイントや、目的別のおすすめの資格、それぞれの特徴などを詳しく解説します。社会人として、キャリアアップ・スキルアップに役立つ英語資格を見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。
英語資格を選ぶ際に押さえておきたいポイント
英語資格は種類が多く、それぞれに特徴や評価される場面が異なります。英語資格選びで失敗しないためにも、自身の目的や習得レベルに合った試験を見極めましょう。
ここでは、事前に確認しておきたい「資格選びのポイント」を紹介します。
資格取得の目的を明確にする
英語資格を取得する際は、「なぜその資格が必要なのか」という目的を明確にすることが重要です。たとえば、転職やキャリアアップが目的なら、企業から評価されやすいTOEICや英検がおすすめです。一方、海外留学を目指す場合は、各大学・機関が指定する英語試験を受ける必要があります。自己啓発やスキルアップが目的であれば、自分が興味を持てるものを選ぶのがよいでしょう。
目的に合わない資格を選んでしまうと、時間や費用が無駄になる可能性もあるので、「なぜ必要なのか」を踏まえながら選択しましょう。
現在の英語力を客観的に把握する
英語学習を効率的に進めるためには、自分の英語力を客観的に把握することが欠かせません。多くの試験はレベル別に構成されており、自分の実力に見合った試験を選べば、無理なく学習を進められます。
現在の習得レベルを知るには、TOEICや英検の模擬試験、各種英語レベル診断テスト、オンラインの無料テストなどを活用するとよいでしょう。適切な難易度を選ぶことは、学習意欲の維持にもつながります。まずは自分の強み・弱みを知ることから始めてみてください。
社会人が英語資格を取るメリットとは?

社会人になってから英語資格を取得すると、就職や転職での強みになるだけでなく、社内評価の向上や自己成長にもつながります。
ここでは、英語資格を持つことで得られる具体的なメリットを解説します。
転職や就職でのアピール力が高まる
グローバル化が進む現在、業種を問わず英語を扱う機会は増えており、採用側は即戦力となる語学力を持った人材を求めています。そのため、英語資格は就職・転職時の強力なアピールポイントになるでしょう。
TOEICや英検などの資格は、応募者の英語力を客観的に示す指標となり、他の応募者との差別化につながります。外資系企業や国際業務を行う部署を志望する場合、英語資格の有無が評価の目安になることも少なくありません。
英語力を客観的に把握できる
英語資格は、英語力を「スコア」や「級」として可視化できるのが大きな利点です。社会人になると、学生時代のようにテストを受ける機会が少なくなり、自分の語学力がどれくらいあるのか把握しづらくなります。しかし、資格試験を受ければ、「話す・聞く・読む・書く」という技能ごとにレベルを確認でき、今後の学習方針を立てやすくなります。
独学で英語を学んでいる方にとっては、勉強の成果を確かめる手段としても有効です。
昇進・社内評価につながる
ビジネスの国際化や海外進出が進むなか、英語資格を昇進・昇格の要件として定める企業が増えています。また、英語対応が求められる部署やプロジェクトも増加しており、英語資格は社内評価につながる重要な要素となりました。海外赴任や国際会議などの際も英語力が不可欠なため、能力を向上させることでキャリアの幅はぐっと広がるはずです。
そうした点を踏まえるなら、英語資格=単なる語学力の証明ではなく、社内でのキャリアアップのための投資と言えるでしょう。
自己成長や学習モチベーションを高められる
英語資格の取得は、自己成長を実感するための絶好の手段です。試験合格やスコアアップという明確な目標があることで、学習へのモチベーションも維持しやすくなるでしょう。特に社会人は学習時間の確保が難しいため、試験に合わせた具体的なゴールを設定し、効率的な学習とモチベーションの維持につなげることが大事です。
加えて、資格を取得する過程そのものが、スキルアップにつながる点も大きなメリットです。英語力が身につくことで、語学力を生かした副業やダブルワークに挑戦できるなど、新たなキャリアの可能性も広がります。
キャリアアップにつながる!社会人におすすめの英語資格一覧

英語の資格にはさまざまな種類があり、目的や求められるスキル、習得レベルなどによって選ぶべき資格が異なります。
ここでは、社会人におすすめの英語資格を目的別に紹介するので、資格選びの参考にしてください。
TOEIC® Listening & Reading Test
TOEIC Listening & Reading Testは、英語の「聞く力」と「読む力」の測定を目的とした試験で、転職やキャリアアップ、海外赴任を目指す社会人に人気です。試験はマークシート方式で全200問(リスニング100問・リーディング100問)。和訳や記述問題はありません。
試験結果が合否ではなく、10~990点のスコアで表示されるのが特徴で、転職や昇進、海外赴任などにおける語学力評価として広く活用されています。
TOEIC Listening & Reading Testは、試験形式が毎回同じで対策しやすく、ビジネスシーンで必要とされる聞く力・読む力をバランスよく鍛えられる点も魅力です。初学者から上級者まで幅広く対応しており、自分のレベルや目標に応じて受験しやすいのも大きなメリットでしょう。
出典:toeic「TOEIC® Listening & Reading Testとは」
TOEIC® Speaking & Writing Tests
TOEIC Speaking & Writing Testsは、英語の「話す力」と「書く力」を測定する試験で、コミュニケーションにおけるアウトプット能力を強化したい社会人におすすめです。問題は全19問(スピーキング11問・ライティング8問)。ヘッドセットとPCを使用し、音声入力とタイピングで解答します。
実務的なシチュエーションを想定した問題が多いため、英語を使った会話や文書作成が求められる職種においては、即戦力の証明となります。TOEIC L&Rと組み合わせれば、総合的な英語力のアピールができるでしょう。
出典:toeic「TOEIC® Speaking & Writing Tests テストの形式と構成」
IELTS
IELTSは英語を母国語としない外国人向けの技能試験で、海外留学や移住申請を目指す学生・社会人にとっては、メリットの大きい試験の1つです。イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドを中心に世界140か国、11,000以上の教育機関や移民局で認定されており、アメリカの大学でもTOEFLに代わる英語力証明として広く採用されています。
試験では「話す・聞く・読む・書く」の4技能が評価され、スピーキングは面接官との1対1の対面形式で行われるのが特徴です。ライティング、リーディング、リスニングはすべて筆記試験で、日本人にも取り組みやすい構成になっています。
出典:公益財団法人日本英語検定協会「IELTSの特徴とメリット」
英検®(実用英語技能検定)
英検(実用英語技能検定)は、日本国内最大級の英語検定試験で、小学生から社会人まで幅広い世代に対応しています。試験は1級〜5級の8段階に分かれており、自分の英語力や学習目的に応じて、どの級からでも挑戦できるのが大きな特徴です。
3級以上は筆記、リスニング、ライティングを含む一次試験と、面接形式のスピーキング試験からなる二次試験で構成され、実践的な4技能(話す・聞く・読む・書く)をバランスよく測定できます。2級以上は履歴書などで英語力をアピールする際に有効とされ、準1級、1級は高度な英語力の証として高く評価されます。
大学の入試優遇措置に使われるケースもあり、実務、教育、留学など幅広い活用に対応できる汎用性の高い資格です。
出典:英検「英検について」
日商ビジネス英語検定
日商ビジネス英語検定は、日本商工会議所が主催するビジネス特化型の英語試験で、実際の職場で求められる即答力と、実践的な英語運用能力を測定します。
リスニングとリーディングを通じて会議、交渉、スモールトーク(世間話や気軽なジョーク)など、リアルなビジネスシーンに対応できるかを評価するのがこの試験の特徴です。また、IBT方式を採用しているので、自宅や会社から手軽に受験できます。
英語圏の文化や歴史的背景に基づいた話題、時事問題に基づいたビジネストークなどを含む幅広い内容となっているため、外資系企業への就職・転職を目指している方には特におすすめです。
出典:日本商工会議所「日商ビジネス英語検定を「知る」(試験概要)」
国連英検(国連公用語・英語検定)
国連英検は、国連の理念である「国際協力」と「国際理解」をコンセプトに、国際的に活躍するための実用的な英語力を評価する試験です。
試験では英語力だけでなく、世界情勢や地球環境、人権などに関する知識・意見表現力も求められ、「真に使えるグローバル・コミュニケーション能力」が試されます。試験級はE級〜特A級の6種類。A級以上はネイティブ試験官との面接が行われ、特A級では外交官経験者も面接に加わります。
C級以上はJICAや警視庁の語学評価基準、A級以上は外務省関連制度に活用されるなど、実務での評価も高い資格です。
出典:国連英検「試験概要」
Linguaskill Business
Linguaskill Businessは、ケンブリッジ大学英語検定機構が開発した英語資格で、世界50か国以上の企業や機関で活用されています。試験はオンラインで実施され、社会人の実務に即した「話す・聞く・読む・書く」の4つの技能を最長2.5時間で測定。最短3営業日で結果が通知されるため、忙しいビジネスパーソンにも最適です。
出題内容も商談、社内報告、人事、マーケティングなど多岐にわたり、さまざまな業種に対応しています。英語によるビジネス対応力を証明したい社会人にとって、実用性の高いグローバルスタンダードな資格と言えるでしょう。
出典:Linguaskill「Linguaskill Businessの特徴」
GCAS(ジーキャス)
GCASは、ビジネス現場で求められる、実践的な英語力を可視化する英語学習診断ツールです。面接官と1対1で行う対面型スピーキング試験で、単なる語彙や文法力だけでなく、「交渉力」「分析力」「説得力」など、ビジネスで成果を上げるための実践的な英語力が試されます。
試験は、インタビュー、プレゼンテーション、ロールプレイで構成され、経営企画、マーケティング、IT・システム、人事・総務など幅広い分野から出題されます。合否がなく、詳細なスコアレポートで自分の強み・弱みが明確になる点もGCASの特徴です。
ネイティブ試験官とのやりとりを通じて、よりリアルなビジネスコミュニケーション力が測定できるので、自己研鑽や自己評価の基準としても活用できるでしょう。
VERSANT(ヴァーサント) Speaking and Listening
VERSANT Speaking and Listeningは、世界的な教育サービス企業であるピアソン社が開発したオンライン型の英語能力テストで、スピーキングとリスニング力の即時処理能力を評価する点が特徴です。
試験はスマートフォンやパソコンで24時間365日受験可能で、音読、復唱、質問、文の構築、話の要約、自由回答の6パートで構成されています。時間は約20分で出題数は40問。数分で結果がわかるため、忙しい社会人にも非常に便利です。
外資系企業の採用試験や海外駐在の適性評価、英語研修の効果測定など、グローバル企業を中心に導入実績があり、実務的な英語力を短時間で証明したい方に最適です。
出典:VERSANT by pearson「VERSANT」
翻訳・通訳のスキルを証明できる英語資格一覧

翻訳や通訳の分野で活躍するには、高度な英語運用能力に加えて、専門的な知識や表現力が求められます。こうしたスキルを客観的に証明する手段として、翻訳・通訳に特化した英語資格の取得は非常に有効です。
ここでは、翻訳・通訳スキルを証明できる代表的な資格を紹介します。実務能力の証明や仕事獲得のアピール材料としても活用できるため、フリーランスから企業勤務まで幅広い立場の方におすすめです。
翻訳実務検定(TQE®)
翻訳実務検定「TQE」は、サン・フレア アカデミーが主催する翻訳者向けの実力認定試験で、 産業翻訳分野における翻訳者としての能力を認定するものです。試験は「原文解釈力」「訳文表現力」「専門知識」「スタイル」という4つの基準で評価・採点され、英語のほか韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語でも受検可能です。
ちなみに、英語の受検科目は15分野・19科目(IT、電気、機械、医療機器、環境など)。70点以上取得すると「翻訳実務士®」に認定され、翻訳者登録ができます。経験者はもちろん、翻訳スクール修了後の実力確認としてもおすすめの資格です。
JTFほんやく検定
JTFほんやく検定は、日本翻訳連盟(JTF)が主催する翻訳者向けの実力検定で、実用レベルの試験では翻訳の完成度に応じて1~3級に認定されます。試験科目には英日翻訳と日英翻訳があり、「政経・社会」「科学技術」「金融・証券」「医学・薬学」「情報処理」の5分野から1分野を選択して受験します。
試験は完全オンラインで実施され、辞書や資料が使用できるほか、ウェブ検索も可能です。2級は実務で十分に通用するレベル、1級は専門の翻訳者レベルと認定されるため、自身のスキルを客観的に証明したい方、キャリアアップやフリーランス独立を目指す方には有用な資格となるでしょう。
全国通訳案内士
全国通訳案内士は、報酬を得て外国人観光客に通訳案内を行うための資格です。試験内容は筆記試験と口述試験で、語学力に加えて日本の地理・歴史・文化・実務知識なども問われる高度な試験となっています。法改正により資格がなくても通訳案内は可能となりましたが、「全国通訳案内士」の名称は国家資格取得者のみが使用可能です。
合格者は、民間外交官的な役割を果たすプロフェッショナルとして、観光ツアーのガイドや企業視察、スポーツイベントのガイドなどさまざまな案内業務に従事できます。インバウンド市場が拡大するなか、観光業界・国際交流分野でのキャリア構築や副業・独立にもつながる、実践的かつ意義のある資格と言えるでしょう。
なお、全国通訳案内士試験における外国語の種類は英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語など10言語となっています。
ビジネス通訳検定(TOBIS)
TOBIS(ビジネス通訳検定)は、企業・団体で活躍するための実践的な通訳スキルを評価する検定で、逐次通訳(4級~2級)と同時通訳(1級)に分かれています。試験はヘッドフォンから流れる音声を聞き、通訳内容を録音する形で行われ、語彙力・通訳技術・ビジネス知識などが総合的に評価されます。
試験の成績に応じて1級~4級に判定され、それぞれにオープンバッジ(デジタル証明書)が発行されるのもTOBISの特徴です。取得すれば、実務に直結したスキルを証明できるほか、転職や案件受注の際のアピール材料にもなるでしょう。
1級は過去2年以内に、2級を取得した人が対象となります。
英語講師・英語教育の現場で役立つ資格一覧

英語を「教える」立場でキャリアを築くには、指導力や言語知識を客観的に証明できる資格が重要です。また、国際的に認知された英語教育資格の取得が、講師としての信頼や評価、就職・転職の後押しにつながる場合もあるでしょう。
ここでは、英語講師としての実践力を高め、教育現場で役立つ主要な英語指導資格を紹介します。
CELTA(セルタ)
CELTA(Certificate in Teaching English to Speakers of Other Languages)は、ケンブリッジ大学英語検定機構が認定する国際的な英語教授法資格です。英語を母国語としない方への指導に特化しており、世界中の語学学校や教育機関で高く評価されています。
難易度は高めですが、「ゴールドスタンダード」と呼ばれる信頼度の高い資格のため、国内外で英語講師として活躍したい方に最適です。
DELTA(デルタ)
DELTA(Diploma in Teaching English to Speakers of Other Languages)は、英語教師としての専門性を高めたい中級から上級者向けの資格で、ケンブリッジ大学英語検定機構が認定しています。
少なくとも1年以上の英語指導経験があることが受講条件で、「言語理解、教授法と授業教材について」など3つのモジュールに合格するとDELTA資格が授与されます。
CELTAの上位資格にあたり、教育現場でのキャリアアップに直結する国際的に評価の高い資格です。
出典:CAMBRIDGE「DELTA(Diploma in Teaching English to Speakers of Other Languages)」
TESOL(テソル)
TESOL(Teaching English to Speakers of Other Languages)は、「英語を母語としない方に英語を教える教授法」のことで、教育プログラムを意味する言葉です。大学・大学院レベルではTESOL学位(学士・修士・博士)として取得されることが多く、英語教育における高度な専門知識や理論的裏付けを持つことの証となります。
資格・検定ではありませんが、英語教授法について本格的に研究したい方は、TESOLを履修するのもよいでしょう。
トリニティCertTESOL
トリニティCertTESOL(Certificate in Teaching English to Speakers of Other Languages)は、英語教授の経験が浅い方や、国際的に認められた指導資格を取得したい方に適した資格です。
英語を母語としない学習者に対する教授スキルを理論、実践の両面からバランスよく習得できるのが特徴で、CELTAと並んで世界的に評価の高い資格となっています。
認定されることで、英語教育の現場で即戦力となる力を証明できるでしょう。
出典:Trinity College London「CertTESOL」
J-SHINE 指導者資格
J-SHINE 指導者資格は、学校英語指導者の育成を目的とした民間の認定資格で、児童英語教育に必要な知識と技能を証明するものです。資格は「小学校英語準認定指導者」「学校英語指導者」など6段階に分かれており、新規で資格申請を行う場合は、所定の研修講座修了と指導時間 50 時間以上の経験が必要となります。
また、新規の資格を取得した後に指導経験200時間以上、英語力CEFR B2以上などの条件を満たせば、上級資格への申請も可能です。
出典:特定非営利活動法人 小学校英語教育推進協議会「認定資格」
まとめ
英語資格の選び方は、目的や現在の英語力、将来描くキャリアビジョンによって大きく変わります。試験によって強みや身につくスキルも違ってくるため、「どこで生かしたいのか」「どのスキルを証明したいのか」を明確にしたうえで、自分に合ったものを選びましょう。
英語資格は、単に英語力を示すだけでなく、学習のモチベーションやキャリアアップの後押しにもつながる有力なツールです。自分にとって最も価値のある資格を見極め、計画的に取得を目指してください。
※当記事は2025年6月時点の情報をもとに作成しています
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