
「資格を取りたいけれど、通学の時間が取れない」「家事や育児の合間に勉強して、資格に挑戦できないだろうか」。そんなふうに感じている人はいませんか?
そうした悩みを解決する一つの方法が、自宅学習での資格取得です。近年は、通信講座や在宅試験に対応した資格も増えており、以前に比べて自宅学習で資格取得にチャレンジすることが容易になっています。
当記事では、自宅で取得できるおすすめの資格10種をジャンル別に紹介し、その内容や学習方法、自宅学習の注意点を詳しく解説します。自分のライフスタイルに合った資格を見つけて、スキルアップやキャリアアップの第一歩を踏み出しましょう。
自宅で資格を取るメリット
通学の手間や費用が抑えられる、自分のペースで学習を進められるなど、自宅で資格を取ることには多くのメリットがあります。ここでは、自宅学習で資格取得を目指す際の具体的なメリットを解説します。
通学にかかる費用がかからない
自宅で資格を取得する最大のメリットは、学習コストを抑えられる点です。予備校や専門学校に通う場合、授業料や受講料のほかに交通費、施設使用料なども必要となり、経済的な負担が大きくなります。その点、自宅学習なら授業料や交通費、施設使用料は不要です。
独学には参考書、問題集などが必要ですが、それでも数千円から数万円程度の費用で済むので、比較的安価に資格取得を目指せるでしょう。自分のペースで無駄なく学習を進めて、短期間で合格できれば、コストパフォーマンスはさらによくなります。
仕事や育児と両立しやすい
通学型の講座を選んだ場合、決まった時間に出席する必要がありますが、自宅学習であれば自分のライフスタイルに合わせて、柔軟に学習スケジュールを立てられます。そのため、「子どもが寝静まった後の夜間」「早朝の静かな時間」「通勤中の移動時間」「家事や仕事の合間」など、日常生活の空いた時間を活用して、無理なく勉強ができるでしょう。
また、「今は集中できないから後で取り組もう」といった具合に、体調や気分に合わせてスケジュールを調整することも可能です。
気軽に勉強・受験できる
専用のアプリやWebサイトを使えば、問題演習や動画講義などがスマホ1台で完結するため、場所を選ばずに学習を進められます。音声コンテンツを上手に活用すれば、料理や洗濯などの作業中でも耳から知識を吸収できるでしょう。資格によっては模擬試験や過去問もオンライン上で入手できるため、効率的に試験対策に取り組めます。
さらに、最近はIBT方式(個人のパソコンで受験する試験方式)に対応した資格試験もあり、その場合、自宅学習の方はいつもの学習環境で受験できます。こうした点も、自宅学習のメリットといえるでしょう。
自宅で取れる医療・介護・福祉系の資格4選
医療や介護、福祉の分野では、自宅で学習・受験できる資格が増えています。ここでは、自宅で取得できて実務や日常生活に役立つ資格を4つ紹介します。
認知症介助士
認知症介助士は、認知症の方が安心して社会生活を送れるように、適切な応対や接遇、環境づくりのスキルを身につけるための資格です。学習を通じて習得できる知識・スキルは、医療、福祉の仕事はもちろん、高齢者を顧客とする企業や接客業の現場でも生かせるため、さまざまな分野から注目されています。
認知症介助士の資格は、自宅で学習・受験ができるため、時間や場所にとらわれずに取得を目指せるのが特徴です。カリキュラムには、認知症の基礎知識や認知症の種類・症状、認知症の方の心理状態、認知症の方への接遇など、幅広い内容が盛り込まれており、初学者でも段階的にスキルを習得できるでしょう。受験資格は設けられておらず、検定試験に合格し認定状を受け取ることで、正式に資格取得者となります。
(出典:公益財団法人 日本ケアフィット共育機構「認知症介助士 資格とは?」)
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)は、医療機関の受付業務や診療報酬請求事務に従事する人が、必要な知識・技能を身につけているかを評価する試験です。約50年の実績があり、業界からの信頼も厚いことから、医療事務分野におけるスタンダードな資格として認知されています。
試験は毎月実施され、IBT方式で自宅から受験できるため、仕事や家庭と両立しながら取得を目指せる点が魅力です。なお、受験資格に制限はなく、申し込みや合格証の取得もオンラインで完結します。
試験は学科試験が60問・50分で、実技試験が70分。実技試験では患者接遇や診療報酬明細書(出来高請求)の作成、基本診療料・特掲診療料の計算などについての知識とスキルが問われます。
(出典:一般財団法人 日本医療教育財団「医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)」)
看護助手認定実務者試験
看護助手認定実務者試験は、医療機関において看護師のサポートを担う看護助手の知識・技能を客観的に判断する試験です。看護の専門的な判断を必要としない範囲で、患者さんの生活や診療をサポートする看護助手は、高齢者が増加する医療現場を支える重要な存在となっており、そのニーズはこれまで以上に高まっていくでしょう。
看護助手認定実務者試験は、在宅での学習・受験に対応しているため、仕事や家事と並行して取得を目指せます。試験は年に複数回実施され、学科問題35問を90分で解答します。出題範囲は看護助手業務と役割の理解、患者理解、基本技術の3分野で、正答率6割以上が合格の目安です。受験資格に制限はなく、多くの人にとってチャレンジしやすい資格といえるでしょう。
レクリエーション介護士(2級)
レクリエーション介護士は、「高齢者に喜ばれるレクリエーション」を提供できる人材を輩出するために創設された資格です。具体的には、高齢者の心身機能の維持・向上に焦点を当てたレクリエーションの知識と技術を習得し、「楽しさ」や「生きがい」につながるようなレクリエーションを企画、実施するのが主な役割となります。
レクリエーション介護士には1級と2級、マスターという3つの等級があり、2級は通信講座での取得が可能です。カリキュラムは高齢者とのコミュニケーション力、レクリエーションの企画力、実行力の3つの力を体系的に学べる構成となっており、レクリエーションに苦手意識がある方でも、段階的にスキルアップを図れるでしょう。
(出典:一般社団法人 日本アクティブコミュニティ協会「レクリエーション介護士2級」)
自宅で勉強できて仕事に役立つ資格3選
国家資格は、独学での取得が難しいように思われがちですが、なかには自宅学習でチャレンジできるものもあります。ここでは、自宅学習で取得を目指せて、実務にも生かせる国家資格を3つ紹介します。
宅地建物取引士(宅建士)
宅地建物取引士(宅建士)は、不動産取引の専門家として、土地や建物の売買・賃貸に関わる重要事項の説明や契約書面への記名などを行う専門資格です。宅地建物取引業者は、事務所ごとに専任の宅建士を設置する義務があるため、資格を取得することで就職・転職において有利に働く可能性があるでしょう。
試験は毎年10月に実施され、宅建業法や民法、建築基準法、税法などに関する設問が四肢択一形式で出題されます。宅建士の合格率は例年15%前後となっており、けっして簡単とはいえませんが、通信講座や参考書を活用しながら計画的に勉強を進め、苦手分野をなくしていけば十分に合格が可能でしょう。
試験に合格した後は、「2年以上の実務経験」か「宅建登録実務講習の修了」のいずれかを満たしたうえで、都道府県知事の登録を受けることで正式に活動できます。
(出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」)
ファイナンシャル・プランニング技能検定(3級)
ファイナンシャルプランナー(FP)は、税金や保険、年金、投資など生活に関わる幅広い知識を持ち、顧客の資産設計をサポートするお金の専門家です。
ファイナンシャル・プランニング技能検定は、FPの技能を認定する国家資格で、検定には1~3級の3つの等級が設けられています。3級の試験はCBT方式に対応しており、全国のテストセンターで自分の都合に合わせて日程を選べるため、柔軟にスケジュールを組むことが可能です。
試験には学科試験(ライフプランニングと資金計画、リスク管理、金融資産運用などの6分野)と実技試験がありますが、3級の場合は合格率がおおむね80%を超えており、難易度は比較的低めです。通信教育や参考書を活用した自宅学習でも、問題なく合格を目指せるでしょう。
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基礎知識を証明するための国家試験です。取得までの学習を通じて、情報システムやネットワーク、データベース、情報セキュリティなどの知識が習得できるため、企業の人材育成や学生の就職活動でも高く評価されています。
試験はCBT方式で、全国の会場で随時実施されているので、忙しい社会人でも学習のスケジュールを組みやすいでしょう。出題範囲には、ITに関する基本的な知識のほか経営、マネジメント、セキュリティなどの分野も含まれており、幅広い知識を効率よく身につけることが求められます。ただし、さまざまな参考書や過去問題集が出版されているほか、無料の学習サイトもあるので、独学でも試験対策がしやすいでしょう。
120分の試験終了後すぐに結果が表示され、1年以内であれば成績レポートのダウンロードができるのも、ITパスポートの大きな特徴です。
(出典:ITパスポート試験「受験要領」)
「ITパスポート試験」資格を生かせる仕事の転職・求人情報 | マイナビ転職
日常の生活に役立つ資格3選
ここでは、日々の暮らしに役立つ知識やスキルが身につく資格を3つ紹介します。家事や子育て、健康管理などに生かせるものが多いので、資格を取得することで生活をより豊かにできるでしょう。
野菜ソムリエ
野菜ソムリエは、野菜や果物の知識を身につけ、その魅力や価値を社会に伝えるスペシャリストです。日本野菜ソムリエ協会が認定しており、生産者と消費者の橋渡しとしての役割も期待されています。
資格は野菜ソムリエ、野菜ソムリエプロ、野菜ソムリエ上級プロの3コース。通信講座に対応しているため、テキストや動画を使って自分のペースで学習できる点が魅力です。野菜ソムリエコースでは、野菜と果物の分類や栄養、保存・調理法、魅力の伝え方など幅広い知識が習得でき、実生活にも役立ちます。
なお、受講に特別な条件はなく、誰でも受講が可能です。受講後は指定の課題を提出し、マークシート形式の試験に合格することで、野菜ソムリエとして認定されます。
(出典:一般社団法人 日本野菜ソムリエ協会「野菜ソムリエコース」)
認定ベビーシッター
認定ベビーシッターは、在宅保育のプロとして子どもの安全と成長を支える資格で、全国保育サービス協会が認定しています。資格を取得するには、協会が実施する研修を修了した後、認定試験に合格する必要があり、受験には年齢や実務経験などの要件が設けられています。
研修には自宅でのオンライン研修のほか、平日や週末、夜間、半日コースなど、さまざまな受講スタイルがそろっており、自分のライフスタイルや学習スタイルに合わせて選択できます。資格取得を通じて、乳幼児の発達や家庭での保育に関する知識と技術を体系的に学べるため、認定後は信頼性の高いシッターとして活躍できるでしょう。
なお、協会の指定校で在宅保育関連の単位を取得し、卒業することでも資格が付与されます。
(出典:公益社団法人 全国保育サービス協会「資格認定制度のご案内」)
整理収納アドバイザー(2級)
整理収納アドバイザーは、片づけや収納に関する基礎知識を身につけて、「散らかりにくく片づけやすい空間」をつくる整理収納のプロフェッショナルです。資格には1級、準1級、2級の3等級があり、2級講座では整理収納の基本的な考え方から実践的な収納のコツまで、事例を確認しながら詳しく学べます。
講座形式は、通常の対面・オンライン講座とWeb講座の2種類で、受講資格に特別な制限はありません。通常の講座では、全国各地の会場やZoomを通じて、1日で完結するオンライン講座が開催され、講師と直接やりとりしながら学べます。一方、Web講座は約2時間半の動画で構成され、60日間の学習期間中は繰り返し何度でも視聴可能です。
どちらの講座も、家事や仕事の合間に整理・収納の理論や方法、コツなどを体系的に学べるのが魅力で、講座修了後には認定証が発行されます。
(出典:特定非営利活動法人 ハウスキーピング協会「整理収納アドバイザー2級認定講座」)
自宅で資格を取るときの勉強方法
自宅で資格を取るには、計画的に学習を進めることが大切です。ここでは、スケジュール管理の方法や勉強を継続させるためのコツなど、自宅学習のポイントを紹介します。
過去問を解くことから始める
過去問は学習の羅針盤となる存在。資格試験の勉強は、過去問を解くことから始めましょう。最初に過去問に触れると、試験の出題傾向や難易度、自分の現状の実力が把握でき、効率的な学習計画を立てることができます。いきなりテキストを読み始めると内容を漠然と覚えるだけになりがちですが、問題を先に解くことで「どこが重要か」「どの知識が問われるか」が明確になるはずです。
初めは答えを見ながらでもかまわないので、全体像をつかむ意識で取り組んでください。その後はテキストを読み、間違えた問題を重点的に復習しましょう。こうしたプロセスを繰り返すことで知識が着実に定着し、実践的な対応力も養われます。
毎日数分でも勉強を継続する
毎日決まった時間に学習を繰り返すことで、勉強が生活の一部として習慣化します。資格取得を目指すなら、「毎日5分だけでもテキストを読む」「寝る前に1問だけ過去問を解く」などの行動を日課にしましょう。5分でも10分でも日々継続すると、次第に「勉強しないと落ち着かない」と感じるほど、勉強が日常的なものになるはずです。
また、忙しい日が続くと「今日はやらなくてもいいか」と気持ちが緩みがちですが、たとえ数分でも机に向かうようにすれば、勉強のリズムが保てます。完璧な学習計画を守るよりも、まずは「継続」を最優先にすることで、モチベーションが維持できるようになるでしょう。
スキマ時間を活用する
忙しいなかで資格取得を目指すなら、「スキマ時間を上手に活用する」という意識も重要です。「通勤電車でスマホアプリを使って過去問を解く」「昼休みに参考書を1ページだけ読む」「料理中に音声教材を聞く」など、短時間の学習を積み重ねることで大きな効果につながるでしょう。
特に暗記が中心となる資格試験では、5~10分の反復学習が記憶の定着に有効です。スキマ時間を使いながら、一歩ずつ着実に学習を進めましょう。
自宅で資格を取るときの注意点
自宅で資格を取る際は、モチベーションの維持や環境の整備が課題になります。以下のような点に注意することで、効率よく学習を進められるでしょう。
無理のない難易度の資格を選ぶ
独学での学習は自由度が高い反面、自己管理が必要です。そのため、難易度が高すぎるとモチベーションを維持できず、挫折につながることも少なくありません。たとえば、弁護士や公認会計士といった難関資格は、専門的な指導や実習が必要なケースが多く、自宅学習だけで対応するにはハードルが高いでしょう。
継続的な勉強に慣れていない人は、比較的取り組みやすい資格から始めて、学習の習慣をつけるのがおすすめです。また、スケジュールを立てる際は、試験日から逆算して学習可能な時間を割り出し、無理のない範囲で1日の学習時間(自分が1日に確保できる勉強時間)を調整しましょう。そうすることで、より現実的・効率的なスケジュールを立てられます。
取得後に活用しやすいものを選ぶ
資格は「取得すること」がゴールではなく、取得した資格をどういった目的で、どう活用するかが大事です。「転職活動で履歴書に記載できる」「業務に直結するスキルとして評価される」「独立・開業のきっかけになる」など、実際に活用できる見通しがある資格であれば、学習を続けるモチベーションにもなるでしょう。
反対に、目的があいまいなまま資格を取得すると、思うように生かせず後悔することも少なくありません。資格を選ぶときは、将来の働き方やライフプランと照らし合わせ、「この資格を取ってどうしたいのか」「取得後にどう役立てるか」という視点を持つようにしてください。
自分が資格要件を満たしているか事前に確認する
国家資格のなかには、年齢・学歴・実務経験など、何らかの条件が設けられているものが多く見られます。特に医療系や福祉系の資格では、特定の学歴・実務年数が必須となる場合があり、条件を満たさないと受験すらできません。また、受験前に指定講座の受講や予備試験の合格が必要なケースもあります。
自分が今すぐ受験できるのか、何かしらの準備が必要かを把握することは、スムーズな資格取得への第一歩です。資格要件に関する情報は、資格の公式サイトや試験実施団体の案内で必ず確認しましょう。条件を見落としたまま準備を進めてしまうと、時間や労力が無駄になる恐れもあるので注意してください。
まとめ
「自宅で資格を取る」というのは、時間や場所の制約を受けず、自分のペースで無理なく学べる有効な選択肢です。費用や時間の負担を抑えながら、実用的な知識や技術を習得できるのも、大きなメリットといえるでしょう。
ただし、モチベーションを維持しながら、効率よく学習を進めるには、取得の目的や生活スタイル、学習スタイルに合った資格を選ぶことが重要です。勉強の習慣がない場合は、難易度の低い資格からスタートして、段階的にステップアップしていくのもよいでしょう。
※当記事は2025年5月時点の情報をもとに作成しています
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