終活にかかわる資格10選|取得方法や取るメリット、選び方も解説

終活にかかわる資格10選|取得方法や取るメリット、選び方も解説

終活資格には、基礎知識の習得を目指した入門的なものから、相談支援や講師活動など実務に生かせるものまで幅広い種類があります。資格取得を通じて終活の全体像を理解できれば、自身の老後を考えやすくなるだけでなく、家族の不安・負担の軽減にもつながるでしょう。

また、資格取得で得た知識を生かして介護・福祉や葬儀、保険、金融といった業界でのキャリアアップや独立、副業も目指せます。

当記事では、終活にかかわる代表的な資格の特徴や国家資格との違い、取得するメリット、資格選びのポイントなどについてわかりやすく解説します。

終活にかかわる資格10選

終活に関する資格は、自身や家族の老後の備えだけでなく、企業内の業務や副業など幅広い場面で活用できます終活関連の資格を取得する際は、目的に合った資格を選び、習得した知識とスキルを最大限に生かしましょう。

ここでは、終活関連資格のなかから、代表的な10種類を取り上げて紹介します。

※記事中に記載された受講料、登録料などは、すべて税込の金額となります。

終活ライフコーディネーター

終活ライフコーディネーターは、相談者の「自分らしいエンディング」に向けた準備や、ライフプラン作成を総合的に支援する民間資格です。

日本能力教育促進協会が認定しており、学習を通じて、葬儀やお墓、終末期医療、資産管理、相続、エンディングノート作成など、終活に関連する幅広い知識を習得できます。

資格取得には認定機関が実施する通信講座の受講が必要で、講座を修了した後に在宅で修了試験を受けるスタイルが一般的です。受験料は講座費用に含まれており、費用の総額は講座内容や教育機関によって異なります。

講座では健康寿命を意識した生活設計や老後資金の備え、身辺整理の方法など、実生活に役立つ具体的な内容が扱われ、「人生の終焉を迎える前に行うべきこと」を網羅的に学べる内容となっています。

終活の全体像を理解できるため、自分や家族の将来設計に役立つほか、介護・福祉、保険などの仕事においても、身に付けた知識を活用できるでしょう。

出典:終活ライフコーディネーター | 一般社団法人 日本能力教育促進協会(JAFA)

終活アドバイザー

終活アドバイザーは、相談者の課題に対して適切なアドバイスを行い、人生の最期に向けた準備をサポートするための民間資格です。

相談者の希望に沿った形で相続、介護、保険、葬儀などの情報を整理し、助言を行うほか、必要に応じて各分野の専門家と連携しながら課題の解決を目指します。

資格を取得するには、指定の通信教育講座を受講した上で、修了試験に合格しなければなりません。受講するにあたって特別な要件はなく、講座ではエンディングノートの活用方法を中心に、医療・介護、住まい、葬儀、相続、財産承継などについて幅広く学習します。

なお、講座の受講料は39,000円程度が目安で、資格取得後に協会へ登録する場合は、別途入会金4,000円、年会費6,000円が必要です。

終活アドバイザーの資格は、高齢者支援の仕事で生かせるほか、セミナー講師として知識を伝えたり、悩みを抱えた人の個別相談に応じたりする際も活用できます。自分自身や家族の終活準備を進める場面でも役立つでしょう。

出典:終活アドバイザーとは | 終活アドバイザー協会

終活カウンセラー

終活カウンセラーは、終活に関する多様な悩みを整理し、適切にサポートするための民間資格です。より専門的な手続きが必要な場合に、適切な専門家(弁護士、司法書士、税理士など)や支援機関につなぐのも、終活カウンセラーの大事な役割です。

資格は1級・2級に分かれており、取得するには一般社団法人終活カウンセラー協会が主催する講習を受講し、修了試験に合格する必要があります。

2級は、主に自分や家族の終活知識を学ぶことに重点が置かれており、講習は約6時間。受験料はテキスト代や資格認定料などを含め16,000円です。

また、1級では相続や保険、葬儀、介護など複数分野の基礎知識を学び、相談者の状況に応じて適切な支援方法を提案するための力を養います。受講には2級の取得が必要で、費用は会場受講が45,000円、オンライン版は50,000円となっています。

取得すれば、介護、葬儀、保険などの職種で知識・スキルを生かせるほか、終活相談会やセミナーを主催し、地域の高齢者の不安解消に貢献することも可能です。

出典:終活カウンセラーとは|一般社団法人 終活カウンセラー協会

終活ガイド

終活ガイドは、人生の最期に向けた準備をトータルでサポートするための民間資格です資格は3級から1級までに分かれており、医療・介護・相続・葬儀といった終活の知識を体系的かつ段階的に学べる点に特徴があります。

入門資格にあたる3級は無料で受講でき、1時間程度の動画講座を通じて終活の基礎知識を学びます。一方、2級ではアドバイザーとして他者の終活をサポートできるレベル、1級では終活のスペシャリストとして相談や講師活動が可能なレベルを目指します。

どの級も学習と受験がオンラインで完結するため、仕事や家事と資格取得を両立しやすいでしょう。ちなみに、取得費用は2級が5,000円、1級が50,000円です。

習得した知識やスキルは、セミナー講師やエンディングノートの書き方指導、終活相談業務などにも生かせるので、セカンドキャリアや副業のきっかけづくりとして活用するのも良いでしょう。

出典:終活ガイド資格 | 終活サポートなら終活協議会

JADP認定終活ライフケアプランナー®

JADP認定終活ライフケアプランナーは、終活支援に必要な理論や実務知識を備えていることを証明する民間資格です。

資格を取得するには、指定教育機関での養成講座を修了した後、在宅形式の試験に合格する必要があります。

受験料は5,600円で、取得までの期間は最短で3カ月。講座では終活についての基礎知識や終末期ケアと死生観、終活ライフケアプランナーとしての具体的な活動(心構え、スキル、カウンセリングの流れなど)について学び、終活に対する理解を深めます。

資格取得を通じて習得した知識・スキルは、介護・福祉、保険、金融、不動産など、終活にかかわるさまざまな業界で役立つほか、終活の重要性を伝える活動や相談支援の基礎づくりにも生かせます。

出典:終活ライフケアプランナー資格 | 日本能力開発推進協会 (JADP)

相続診断士

相続診断士は、相続に関する基礎知識を身に付け、相談者の状況を整理しながら円滑な財産承継を支援する民間資格です。

高齢化が進む現在、日本では相続の問題が増加・複雑化しており、相続トラブルの未然防止や事前準備に対する需要が高まっています。そうしたなか、相続に関連する悩みや不安を持つ人をサポートするために創設されたのが相談診断士です。

相談者から家庭の状況や財産などをヒアリングし、どんな準備が必要かを診断・サポートするのが相談診断士の主な仕事で、トラブルが発生しそうな場合は、弁護士や税理士などと連携しながら早期解決を目指します。

資格試験は、Web講義で相続法や相続税、贈与制度、不動産評価などを学習した後、CBT方式(パソコン受験)で行われ、100点満点中70点以上で合格です。

資格は保険、金融、不動産といった業界の相談対応に生かせるほか、相続についての理解・意識を向上させる啓蒙活動にも役立てられます。

出典:相続診断士とは?|一般社団法人 相続診断協会

生前整理アドバイザー

生前整理アドバイザーは、物・心・情報を整理し、人生後半の生活をより良く整えるための民間資格です。生前整理とは、元気なうちに身のまわりの物品や財産を整理・処分する活動のことで、老後の負担軽減や生活環境の改善につながる取り組みとして注目されています。

資格は2級・準1級・1級に分かれており、一般社団法人生前整理普及協会が主催する認定講座を受講し、認定テストに合格することで取得できます。

講座は、2級が自分自身の生前整理を学ぶための内容、準1級は身近な人に生前整理の大切さを伝えるための内容となっており、準1級講座を受講するには2級に合格しなければなりません。

また、最上位級の1級はプロ・指導者向けとされており、遺言書の作成方法や思いの詰まった写真の整理・活用法など、より実践的な内容を学びます。

上位級を取得すれば、保険、介護、葬儀、清掃業界などの実務に役立つほか、自治体や企業、市民講座などの生前整理セミナーで講師をつとめることも可能です。

出典:生前整理アドバイザー | 生前整理普及協会

JADP認定シニアピアカウンセラー®

JADP認定シニアピアカウンセラーは、高齢者との対話を円滑に進めるためのカウンセリング能力や、コミュニケーションスキルを証明する民間資格です。

孤独や不安を抱えるシニア層の話を聞き、心の安定をサポートすることを目的に創設され、一般財団法人日本能力開発推進協会が認定を行っています。

資格を取得するには、指定教育機関の通信講座を修了する必要があり、講座では受容・傾聴・共感の知識、傾聴の理論、シニアピアカウンセリング(高齢者傾聴)の基本技術などを体系的に学習します。

講座修了後は在宅で修了試験を受け、得点率70%以上で合格となります。

資格取得後は、高齢者の意思や感情をくみ取りながら終活をサポートする「傾聴のスペシャリスト」として、介護・福祉の現場やボランティア活動などで活躍できるでしょう。

出典:シニアピアカウンセラー資格講座|高齢者傾聴・ピアカウンセリング方法を習得|通信教育講座・資格のキャリカレ

エンディングノートセミナー講師

エンディングノートセミナー講師は、セミナーやワークショップを通じて、エンディングノートの書き方や終活の基本知識を指導するための民間資格です。

エンディングノートは、自分に関する重要情報(財産、相続、医療、葬儀など)を整理し、家族に伝えるために活用されており、終活における重要なツールとなっています。

資格は、一般社団法人終活協議会が実施する講座を受講することで取得でき、講座ではエンディングノート作成の具体的な手順や、終活に関する基礎知識、セミナー運営のポイントなどを実践的に学びます。

資格取得後は、高齢者向けの終活講座や勉強会で講師をつとめるなど、身に付けた知識・スキルを社会貢献活動、副業などに活用できるでしょう。

出典:エンディングノートセミナー講師認定資格 | 終活サポートなら終活協議会

終末期ケア専門士

終末期ケア専門士は、医療や介護の現場において、終末期の患者や利用者を支援するための専門知識と実践力を証明する資格です。

終活においても終末期ケアは重要なテーマであり、本人の意思尊重や家族支援を含めた総合的な対応力が求められます。

そうしたなか、患者さんや利用者さんを身近で支え、エビデンスに基づいた身体的・精神的ケアを提供するのが、終末期ケア専門士の役割です。

受験には医師や看護師、介護福祉士、社会福祉士などの資格と一定の実務経験が必要で、試験(CBT方式)は終末期医療の倫理観、多職種連携、意思決定支援、日常生活のケア、家族ケアなど幅広い分野から出題されます。

資格取得を通じて、終末期ケアに関する包括的な知識や身体的・心理的ケアのスキル、家族支援のスキルなどが身に付くため、医療、介護の現場における役割拡大につながるでしょう。転職やキャリアアップの場面でも、専門性が高く評価されます。

出典:終末期ケア専門士認定試験 | 【公式】一般社団法人日本終末期ケア協会

終活にかかわれる国家資格とは

国家資格のなかにも、終活に役立つ資格があります。終活を進めるにあたっては、相続や財産管理、法的手続きなど、専門性の高い知識が求められる場面も多いため、国家資格を持つ専門家がかかわることで、相談者に安心感と信頼感を提供できるでしょう。

ここでは、終活にかかわれる代表的な国家資格を取り上げ、それぞれの概要と具体的な活用場面を解説します。

ファイナンシャル・プランニング技能士(FP)

ファイナンシャル・プランニング技能士は、お金に関する幅広い知識を生かして、相談者の資産設計をサポートする国家資格です。試験は1~3級に分かれており、資格取得を通じて金融や税制、保険、不動産、年金といった幅広い知識を体系的に学べます。

終活の場面では老後資金の確保や相続対策、保険の見直しなど、お金にかかわる課題が生じやすいため、FPの知識は非常に有用です。

特に相続発生後には、遺族が資産管理や生活費の見直しに直面することが多く、事前の資金計画や制度理解が円滑な対応につながります。

終活と財務計画の両面から、トラブル防止や資産管理に貢献できるのは、ファイナンシャル・プランニング技能士がかかわる大きなメリットと言えるでしょう。

出典:ファイナンシャル・プランナー(FP)とは | 日本FP協会

税理士

税理士は各種税金に関するアドバイスや、申告書の作成などを行う国家資格です。日本の税金制度では納税者自身が申告・納税する必要がありますが、税法はかなり複雑なため、正確に対応するには専門知識が不可欠です。

終活においても例外ではなく、財産の整理や相続税の試算、生前贈与の検討など多くの場面で税理士の知見が役に立つでしょう。

特に近年は、団塊世代の高齢化や単身世帯の増加に伴い、相続に関する相談需要は増加傾向にあります。そのため、税理士が生前対策のアドバイスやトラブル防止の支援を行うケースは、決して少なくありません。

具体的には、生前の相続税対策(節税提案、贈与相談など)と相続発生後の申告手続きを通じて、安心して次世代へ資産を引き継げるようにするのが、終活における税理士の役割となります。

出典:税理士の使命|東京税理士会について|東京税理士会

司法書士

司法書士は、登記や供託に関する手続きの代理、法務局に提出する書類の作成などを専門とする、法律系の国家資格です。

司法書士試験は筆記試験と口述試験に分かれており、毎年7月に実施される筆記試験では、憲法や民法、商法、刑法、不動産登記、商業登記、民事訴訟など、幅広い法律知識が問われます。

終活においては、遺言書作成の支援や相続人調査、不動産の登記変更手続きなど司法書士が関与する場面が多く、円滑な相続手続きの実現には欠かせない存在となっています。

また、遺産分割協議書の作成や、家庭裁判所への申立書類作成などが必要になる場面もあるため、司法書士としての知識があれば、複雑な手続きを適切に進められるでしょう。

ただし、相続人同士の交渉や法律相談の一部は弁護士の業務範囲となるため、他の専門家と連携しながら支援を行うのが一般的です。

出典:法務省「エンディングノート」

弁護士

弁護士は、法律の専門知識を用いて依頼者の権利・利益を守り、トラブルの予防や解決につとめる国家資格です。弁護士が扱う事件には、民事事件と刑事事件があり、金銭トラブルや不動産契約トラブル、離婚・相続などの問題は民事事件にあたります。

終活では遺言書の作成や任意後見契約、家族信託、死後事務委任など法的な判断が求められる場面が多く、弁護士の助言があればより適切な準備を進めることが可能です。

加えて、相続トラブルが発生した際に、代理人として交渉や訴訟対応を行えるのも弁護士の特徴です。

人生の最終段階における意思決定を「法的に有効な形」で残すためには、弁護士の専門知識が大きな安心材料となるでしょう。

出典:弁護士による終活支援 | 東京弁護士会

終活にかかわる資格を取得するメリット

終活関連の資格を取得する主なメリットとして、次の2点が挙げられます。

・自分や家族の終活に役立つ

資格取得のための学習によって、エンディングノートの作成方法や財産管理の基本などを体系的に理解できるようになります。将来に向けた準備を早い段階から進められるので、自分自身の老後設計を具体的に考えるきっかけにもなるでしょう。

また、家族の終活を支援する際にも、適切な判断や助言ができるようになります。終活について家族で話し合う機会が増えれば、相続や財産分割を巡るトラブルの予防にもつながるはずです。

・就職・転職・副業など仕事の幅が広がりやすい

終活に関連する資格は、介護・福祉分野、葬儀分野など高齢者とかかわる仕事において、対応力の向上に役立ちます。相談対応やライフプランに関する助言ができる人材は、企業や地域活動の場でも一定の評価が得られるでしょう。

副業として終活の個別相談を受けたり、セミナー講師として情報発信を行ったりするなど、働き方の選択肢を広げることも可能です。

終活に関する資格は、日常生活における安心確保と、キャリア形成の両面で役立ちます。資格を取得すること自体が目的ではなく、学んだ知識をどのように生かすかを意識することで、より実務的な価値が感じられるでしょう。

終活の資格を選ぶコツ

終活関連の資格は種類が多いため、目的や学習条件を確認した上で選ぶことが大切です。

終活分野は相続・介護・葬儀・資産管理など幅広いテーマを扱うことから、資格によって学べる内容や活用できる場面が異なります。自分の将来設計や働き方に合わせて選択することで、学んだ知識を仕事や実生活に生かしやすくなるでしょう。

ここでは、終活資格を選ぶ際に意識したいポイントを解説します。

自分の目的に合った資格を選ぶ

終活関連の資格には、仕事での活用を前提としたものから、家族の終活支援や自分の老後準備を目的としたものまで幅広い種類があります。終活資格を選ぶ際は、まず資格を取得する目的を明確にしておきましょう。

例えば、相談業務やセミナー活動などの実務に生かしたい場合は、具体的なライフプラン提案力を養える資格が適しています。一方で、自分や家族の終活に備えたい場合は、基礎知識を体系的に学べる入門資格でも十分に役立ちます。

資格の特徴や活用方法を事前に確認し、自分の将来像に合った選択をすることで、無駄なく実践に結びつけられるでしょう。

必要となる時間や費用から選ぶ

終活資格を検討する際は、取得までにかかる学習期間や費用を比較することも大切です。資格のなかには、数時間から数日の講座受講で取得できるものもあれば、長期間の学習が必要なものもあります。加えて、受講料のほかに教材費や試験料、資格登録料、年会費などが別途必要になるケースも少なくありません。

学習スタイルも通信講座・通学講座・オンライン講座などさまざまで、生活環境や仕事との両立を考慮した選択が求められます。無理のないスケジュール・予算で取り組める資格を選んで、効率良く資格取得を目指してください。

自分や家族の終活には終活関連の資格が役立つ

終活に関する資格は、「人生の締めくくりに向けた準備」として、多くの人に注目されています。

相続や資産管理、医療や介護、法律手続きなど終活の領域は幅広いため、資格を通じて基礎から理解しておくことで、不安の解消や家族の負担軽減につなげられるでしょう。

また、終活は社会的なニーズが高まっている分野でもあり、資格取得によって相談支援やセミナー活動、地域貢献など新たな役割につながる可能性があります。

ただし、資格にはさまざまな種類があるので、学習内容や取得にかかる時間、費用、目的との相性を確認した上で、自分に合ったものを選びましょう。

学んだ知識を日常生活や仕事に生かしていくことで、終活資格の価値をより強く実感できるはずです。

※当記事は2026年3月時点の情報をもとに作成しています