
近年では、子どもの成長を支える知識や支援スキルを身につけられる民間資格や国家資格が多く登場しており、自宅で学べる通信講座やオンライン研修など、忙しい育児中でも無理なく挑戦できる学習環境が整っています。育児の不安を軽減し自信を持って子どもと接する手段としてだけでなく、将来のキャリアに生かすためにも、資格は心強い味方になります。
当記事では、子育て中の方や子育て経験を生かしたい方に向けて、おすすめの資格12選と、育児と両立しながら効率的に学習するための工夫を詳しく解説します。
子育てに関する資格を取得するメリット
子育てに関わる資格の取得を目指す方には、育児の知識を深めたいというだけでなく、将来的なキャリアを見据えて行動したいという思いから取り組む方も多いのが特徴です。子育てに関する資格を取得することで、主に次のようなメリットがあります。
・子育てへの自信につながる
育児の悩みや不安は誰もが感じるものですが、資格取得を通じて子どもの発達や接し方に関する専門知識を学ぶことにより、日々の子育てに自信が持てるようになります。理論に基づいた子どもとの関わり方を知ることで、感情に流されず、落ち着いて対応できるようになるのも大きな利点です。
・職場復帰後のキャリアに役立つ
子育てに関する資格は、保育・教育・福祉といった分野での再就職にもつながります。特に保育士や子育て支援員などとして活躍する場合は、実際の育児経験が強みになるため、育休後のキャリア形成に生かしやすいでしょう。家庭と両立しやすい働き方を目指す上でも、育児関連の資格は有利な選択肢となります。
子育てに関する資格12選

子育ての経験を生かせる資格や、育児に役立つ知識が得られる資格は数多く存在します。再就職に役立つものから、家庭での子育てをよりスムーズにするものまでさまざまな種類があるので、自身の興味や資格取得の目的などに合わせて目指す資格を検討しましょう。
ここでは、子育て中の方や子育ての経験がある方、これから子育てに関わる方におすすめの資格を紹介します。
保育士
保育士は、児童の保育や保護者への支援に関する専門知識を持ち、実際に子どもの保育を行う国家資格です。保育士資格は、保育や子育てに関する高度な知識を持っていることを公的に証明するもので、保育士の仕事は子どもの発達支援に欠かせません。
保育士資格を得るためには、指定保育士養成施設(大学・短大・専門学校など)を卒業するか、年2回実施される国家試験に合格する必要があります。保育士試験は筆記と実技に分かれており、筆記では福祉・栄養・教育に関する幅広い専門知識が問われますが、通信講座などを活用すれば、育児や仕事と両立しながらの学習も可能です。
就職先は保育園や認定こども園に限らず、児童養護施設や院内保育所、企業内託児所など多岐にわたり、将来性は抜群です。また、保育士は需要が高く、結婚や出産を経ても再就職しやすい点も魅力です。
幼稚園教諭
幼稚園教諭は、3歳から小学校就学前の子どもを対象に、遊びや集団生活を通して基本的な生活習慣や社会性を育てる専門職です。保育士が福祉分野の資格であるのに対し、幼稚園教諭は学校教育法に基づく「教員」という位置づけであり、教育に重点を置いている点が大きな違いです。
資格には専修・一種・二種の3種類があり、大学や短大、専門学校で所定の教職課程を修了し、卒業後に文部科学省に申請して免許を取得することで幼稚園教諭として働けます。また、保育士資格を持っている人は、保育士として3年以上の実務を経験したあと、資格認定試験を受けて免許を取得することも可能です。
勤務先は幼稚園や認定こども園で、公立は地方公務員試験、私立は各園の採用試験を経て就職します。子どもの「教育」に関わりたい方にとって、将来性もある魅力的な資格です。
子育て支援員
子育て支援員は、保育や地域子育て支援の分野に関する基本的な知識と技能を学び、各自治体が実施する研修を修了することで認定される資格です。保育士とは異なり国家資格ではありませんが、「子どもと関わる仕事がしたい」「育児経験を生かしたい」という方にとっての入門的な資格です。
研修は都道府県が実施しており、内容や日程、受講条件は地域によって異なるので、お住まいの都道府県の情報を確認してください。たとえば東京都では、「地域保育」「地域子育て支援」「放課後児童」「社会的養護」という複数のコースがあり、働く現場に応じた内容を学べます。
受講後には全国で有効な修了証書が交付され、小規模保育施設や児童館、子育てひろば、学童クラブなどで勤務できるようになります。取得のハードルが比較的低く、子育てと両立しながらでも挑戦しやすい資格です。
認定ベビーシッター
認定ベビーシッターは、公益社団法人全国保育サービス協会が認定する、在宅保育の専門資格です。利用者の自宅で1人または少人数の子どもを個別に保育する「在宅保育」のプロフェッショナルとして、家庭ごとのニーズに応じた柔軟な対応を行います。
資格を取得するためには、協会が実施する新任研修会(2日半)を受講し、認定試験に合格しなければなりません。ただし、保育士資格を持っている方は、指定された保育士養成施設で所定の在宅保育関連科目を履修することで資格を取得できます。
ベビーシッターは保育の多様化が進む中で需要が高まっており、子育て経験を生かして働きたい人や、自宅近隣で柔軟に働きたい人にとって魅力的な選択肢です。
出典:公益社団法人全国保育サービス協会「資格認定制度のご案内」
チャイルドマインダー
チャイルドマインダーは、少人数制の家庭的な保育を専門とする保育のプロフェッショナルです。子ども一人ひとりの個性を尊重し、成長と発達をサポートする保育を行います。
学歴や経験を問わず誰でも目指せる民間資格で、指定の養成講座を修了し、試験に合格することで取得できます。講座は通学・通信どちらも選べ、内容は子どもの発達心理・安全管理・栄養・保護者との関係構築など多岐にわたります。試験は講座で学んだ範囲が中心となるため、合格率は70~90%と比較的高めで、取得しやすい資格です。
取得後は、保育施設や企業内保育、幼児教室、在宅保育、派遣など幅広い働き方ができます。子育て経験を生かして専門性を高めたい方や、自宅や地域で働きたい方におすすめの資格です。
出典:チャイルドマインダージャパン®「チャイルドマインダー」
児童発達支援士
児童発達支援士は、発達障害のある子どもへの理解と適切な支援方法を学び、実践力を高めるための民間資格です。一般社団法人人間力認定協会が認定しており、自宅でのテキスト・動画学習とインターネット試験のみで取得できるので、初心者でも取り組みやすい仕組みとなっています。
資格を取得することで、発達障害の種類や支援方法、しつけ、脳科学の視点からのアプローチなど、子どもの成長を多角的に理解できます。保育・教育・医療の知識をバランスよく習得できるため、療育施設勤務を目指す方はもちろん、子育て中の保護者にも役立つ資格です。履歴書への記載も可能で、スキルアップや再就職の際のアピールポイントにもなります。
発達障害児支援士
発達障害児支援士は、2歳~小学校中学年程度までの発達障害のある子どもへの適切な支援法を学べる民間資格です。通信講座により自宅で動画を視聴し、レポート提出と認定試験を受けて合格することで取得できます。
講座ではパニックや立ち歩き、偏食、手先の不器用さといった「困りごと」に対し、その子の特性に合わせた事前対応や指導法を体系的に学びます。「その場しのぎ」ではなく、将来的な自立支援を重視した内容で、運動・生活・ソーシャルスキルなどの分野もカバーしています。学習期間は6か月程度で、受講条件もないので、保育・教育現場の支援者はもちろん、保護者も取得しやすい資格です。
発達障害に関するより深い理解と実践力を身につけ、子どもの未来に寄り添う支援者を目指す方におすすめです。
チャイルドカウンセラー
チャイルドカウンセラーは、子どもの心のケアや問題行動の理解・支援に特化した児童心理の専門家です。JADP(日本能力開発推進協会)認定の民間資格で、発達障害、不登校、いじめ、家庭問題などに対応できるカウンセリングスキルを身につけられます。
資格取得のためには、協会指定の認定教育機関での講座を修了し、在宅での検定試験に合格する必要があります。資格取得後は、スクールカウンセラーや特別支援員など、子どもと関わる幅広い分野での活躍が期待されます。保育士や教員、福祉職のスキルアップはもちろん、子育て中の保護者にも人気の資格です。
出典:日本能力開発推進協会 (JADP)「JADP認定チャイルドカウンセラー®」
子育て心理アドバイザー
子育て心理アドバイザーは、子どもの心身の成長を正しく理解し、発達段階に応じた適切な対応ができる知識とスキルがあることを証明する民間資格です。通信講座を通じて取得可能で、0歳から12歳までの子どもを対象とした育児の知識、発達心理学、個性に寄り添う子育て法などを学びます。
資格取得には、受講中にすべての添削課題を提出し、在宅で受けられる修了認定試験に合格する必要があります。自宅で自分のペースで学習・受験ができるので、忙しい子育て世代でも安心です。
子育てで悩んだときに、インターネット上にあふれる情報の取捨選択に不安を感じることもあるかもしれませんが、子育て心理アドバイザーを取得すれば正しい知識に基づいた育児が実践できるようになり、自信と安心感を得られるでしょう。これから子育てを始める人にも、現在育児中の方にもおすすめです。
アンガーマネジメント検定
アンガーマネジメント検定は、怒りの感情を理解し、適切に対処するための心理トレーニングを学ぶ資格です。アンガーマネジメントでは、怒らないことを目指すのではなく、「怒るべきときは上手に怒り、怒らなくてもよい場面では冷静でいられる」ことを目標とします。
特に子育て中の保護者にとって、日々のイライラへの対処法を学べる点は大きなメリットと言えるでしょう。怒りの原因を自覚し、セルフモニタリングによって冷静な対応ができるようになることで、子どもとの関係改善にもつながります。育児ストレスを軽減し、親子の信頼関係を育てたい方にとって、実践的で役立つ資格です。
出典:一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会「アンガーマネジメント検定」
ほめ育てアドバイザー
ほめ育てアドバイザーは、子どもの自己肯定感や自己効力感を高める「正しいほめ方・叱り方」を理論的に学び、実践できることを証明する民間資格です。JADP(日本能力開発推進協会)が認定しており、ポジティブ心理学をベースに、親子のより良い関係性を築くスキルを学べます。
取得には協会指定の認定教育機関でカリキュラムを修了後、在宅で受験し、70%以上正解する必要があります。カリキュラムには、子どもの性格や成長段階に応じた声かけや対応法などのほか、ママ自身の心のゆとりや自己肯定感を育む内容も含まれています。
育児中の不安やイライラを減らし、子育てを楽しめるようになる実践的な資格で、保育・教育関係者に限らず、家庭でも仕事でも生かせる資格です。
出典:日本能力開発推進協会 (JADP)「JADP認定ほめ育てアドバイザー®」
離乳食・幼児食コーディネーター
離乳食・幼児食コーディネーターは、乳幼児の食と発達に関する正しい知識を持ち、月齢や成長段階に応じた適切な食事の提供ができる育児のスペシャリストです。
通信講座を受講し、全カリキュラムと添削課題を修了後、自宅でマークシート式の試験に合格することで資格を取得できます。試験は在宅・再受験も可能なため、家事や育児で忙しい方でも挑戦しやすい資格です。
講座では、離乳食・幼児食の調理法やアレルギー対策、栄養バランスの考え方、時短レシピなどを実践的に学びます。プレママや保育関係者など、家庭での食育力を高めたり、子どもの健康的な食生活をサポートしたりしたい方におすすめの資格です。
出典:生涯学習のユーキャン「離乳食・幼児食コーディネーター 講座」
子育て中に資格を取得するための勉強方法
子育てと並行して資格の取得を目指すには、限られた時間の中で効率的に学ぶ工夫が必要です。ここでは、子育てと両立しながら無理なく学習を続けるためのコツを紹介します。
取得しやすい資格を選ぶ
子育て中に資格の取得を目指すなら、自分の興味やライフスタイルに合った資格を選ぶことが大切です。自分の経験が生かせる分野であれば、学習内容が身近で理解しやすく、無理なく取り組めます。
また、「この資格を取って何がしたいのか」を明確にすることで、学習のモチベーションを持続しやすくなります。再就職や在宅ワークを目指す場合には、その資格が実際に需要のあるものかも事前に調べておくと安心です。取得後の活用イメージを持つことが、学習を続ける原動力になります。
隙間時間を活用する
子育て中はまとまった時間を確保するのが難しいため、短時間でできる学習スタイルを取り入れることがポイントです。朝の支度前や子どものお昼寝中、寝かしつけたあとの15分など、細切れの時間を見つけて少しずつ積み重ねるように工夫することで、無理なく学習を続けられます。
また、最近はスマホで学べる動画講義や音声テキストなど、家事をしながら「ながら学習」できる教材も豊富です。特に耳から入る情報は理解しやすく、繰り返し聞くことで定着しやすいというメリットもあります。
子どもと一緒に勉強する
子どものリビング学習の時間を活用して、一緒に勉強するのも有効な方法です。親が集中して学ぶ姿勢は、子どもにとってもよいお手本になるでしょう。「勉強するって楽しそう」と思える環境づくりは、将来の学習意欲にもつながります。
また、「子どもが宿題をする間は自分も勉強する」など、ルーティン化することで時間を有効活用できるだけでなく、親子のコミュニケーションも自然と深まります。学び合える環境を共有することで、子育てと学習の両立がぐっと楽になります。
まとめ
育児に関する資格の取得は、子どもの成長をより深く理解し、日々の子育てに自信をもたらしてくれるだけでなく、将来的な仕事や社会参加の可能性を広げるための武器にもなります。特に保育・福祉・教育分野への再就職を検討している方にとっては、経験をキャリアに生かすためにも資格取得を目標にするとよいでしょう。
家庭も自分自身の成長も大切にしながら、自分に合った学び方や資格を見つけ、キャリアアップを目指すのがおすすめです。
※当記事は2025年11月時点の情報をもとに作成しています