
色彩検定とカラーコーディネーター検定は、色に関する知識を証明する資格として人気があります。しかし、両者にどのような違いがあるのかが分からず、「色彩検定とカラーコーディネーター検定のどちらを受けるべき?」「仕事に生かせるのはどっち?」と迷っている人もいるでしょう。
本記事では、色彩検定とカラーコーディネーター検定について、それぞれの資格取得を通じてどのような知識が身につき、仕事にどう役立つのか、徹底比較しながら解説します。各資格の難易度やおすすめの人も紹介しますので、資格選びに迷っている方はぜひお役立てください。
- 色彩検定とカラーコーディネーター検定の違い
- 色彩検定とカラーコーディネーター検定はどちらがおすすめ?
- 色彩検定とカラーコーディネーター検定の違いに関するQ&A
- まとめ:色彩検定・カラーコーディネーター検定の違いを理解し、目的に合った資格を選ぼう
色彩検定とカラーコーディネーター検定の違い

まずは、色彩検定とカラーコーディネーター検定の概要を比較し、それぞれの違いを見ていきましょう。
主催団体
色彩検定を主催しているのは、公益社団法人色彩検定協会です。1976年に設立され、2012年に内閣府より公益法人の認定を受けました。1990年に第1回の色彩検定を実施し、現在は文部科学省後援のもとで、色彩に関する理論と実践の普及を目指して活動しています。
一方、カラーコーディネーター検定を主催するのは、東京商工会議所です。東京商工会議所は1878年に設立され、初代会頭には実業家・渋沢栄一が就任しました。以来、商工業の振興や人材育成に注力しており、その一環として実施されているのがカラーコーディネーター検定です。
階級・出題範囲
色彩検定は、3級・2級・1級およびUC級の4段階に分かれています。3級は色彩の基礎知識が問われる入門レベル、2級は仕事への応用力が問われる実務レベル、1級は提案力や専門的な設計力が問われるプロフェッショナルレベルです。UC級では、色覚の多様性に配慮したユニバーサルデザインへの理解が求められます。出題はすべて公式テキストに準拠しており、初学者でも挑戦しやすい資格です。
一方、カラーコーディネーター検定は、スタンダードクラスとアドバンスクラスの2段階制です。スタンダードクラスでは日常における色彩に関する基礎的な知識が問われ、アドバンスクラスではビジネスでの色彩活用例など幅広い知識が求められます。公式テキストの内容を理解し、応用できる力が問われます。
受検料・受検資格
色彩検定の受検料は、3級が7,000円、2級が1万円、1級は1万5,000円、UC級が6,000円です。年齢や学歴などに関係なく、誰でもどの級からでも受検可能で、複数の級を併願することもできます。
一方、カラーコーディネーター検定の受検料は、スタンダードクラスが5,500円、アドバンスクラスが7,700円です。CBT方式で受検する場合は、CBT利用料の2,200円が別途かかります。こちらも受検資格はなく、併願受検も可能です。
試験方法
色彩検定の試験は、全国の試験会場で実施されます。1級は年1回、ほかの級は年2回の開催です。試験の形式と試験時間は以下のとおりです。
- 3級:マークシート方式・60分
- 2級:マークシート方式(一部記述式)・70分
- 1級:1次試験……マークシート方式・80分、2次試験……記述方式(一部実技)・90分
- UC級:マークシート方式(一部記述式)・60分
合格基準は、3・2・1級が200点満点中140点前後で、UC級が200点満点中160点前後です。
カラーコーディネーター検定の試験は、自宅などで受検するIBT方式と、全国各地のテストセンターで受検するCBT方式の2通りがあります。試験は年に2回実施されます。スタンダードクラス・アドバンスクラス共にCBT・IBT共通で、試験形式は多肢選択式、試験時間は90分です。試験開始前には、本人確認や受検環境のチェックが行われます。スタンダードクラスとアドバンスクラスの両方とも、100点満点中70点以上で合格です。
受検者層
色彩検定は、10~20代の学生が多く受検しているのが特徴ですが、社会人の受検者も多くいます。社会人受検者の業種は、流通・販売・小売、サービス業、IT・コンピュータ、各種メーカー、ファッション・デザイン、住宅・建築などと幅広く、職種もデザイナー、企画、事務などさまざまです。
カラーコーディネーター検定の受検者は、スタンダードクラスでは学生、アドバンスクラスでは社会人の割合が高いのが特徴です。社会人受検者の職種は営業・販売、デザイン・設計、事務が中心で、業種は建設業、製造業、デザイン・設計業、小売業、サービス業が多くなっています。
合格率・難易度
色彩検定の2024年度の合格率は、3級が74.7%、2級が69.1%、1級は41.8%でした。色彩検定は、級が上がるごとに難易度も高くなる傾向にあります。UC級は、2024年度の合格率が78.7%と高く、難易度は比較的低めであると言えるでしょう。
カラーコーディネーター検定の2024年度の合格率は、スタンダードクラスが73.0%、アドバンスクラスが45.5%でした。基礎知識が中心のスタンダードクラスに比べ、ビジネスの実務に即した応用力が問われるアドバンスクラスのほうが、難易度は高くなっています。
▼色彩検定の難易度について詳しく知りたい方はこちら
学習方法
色彩検定の学習には、級別の公式テキストを活用することが効果的です。すべての級で、試験の出題内容は公式テキストに準拠しています。公式テキストは、図版や写真が豊富で直感的に理解しやすく、初学者でもスムーズに学べる内容です。公式テキストに対応したカラーカードや過去問題集も、試験対策に有効です。
カラーコーディネーター検定でも、各級の公式テキストは必須の教材です。どちらの級でも、試験では公式テキストの内容とそれに基づく応用力が問われます。公式テキストでは、ビジネスや日常生活に応用できる色彩の活用事例が豊富に紹介されており、実務的な色彩知識を体系的に学ぶことができます。
なお、色彩検定の勉強方法は以下の記事でも確認できます。
色彩検定とカラーコーディネーター検定はどちらがおすすめ?

色彩検定とカラーコーディネーター検定が、それぞれどのような人に向いているのかについて説明します。自分の興味や将来像に合っているのはどちらの資格か、ぜひチェックしてみてください。
色彩検定がおすすめの人
色彩検定は、色に関する理論や知識を身に付けたい人や、幅広い業界の多様な職種に対応する汎用性の高い資格を求める人に向いていると言えるでしょう。特に、以下のような目的や関心を持つ人におすすめです。
- 色彩の基礎から応用までを体系的に学びたい人
- 感覚だけでなく、理論に基づいて配色を考えたい人
- ファッション・美容・インテリアなどの分野で色の専門知識を生かしたい人
- グラフィックや広告、出版、ウェブなどの視覚デザインに携わっている人
- 色彩に関する教育や指導に役立てたい人
- 商品企画や販促、ブランディングに色の効果を生かしたい人
- 多様な業界で通用する色彩の資格を取得したい人
カラーコーディネーター検定がおすすめの人
カラーコーディネーター検定は、実用性の高い色彩知識を学んでビジネスで色彩を効果的に活用したい人や、仕事で色を扱うシーンが多い人に向いていると言えるでしょう。特に、以下のような人はカラーコーディネーター検定の資格取得がおすすめです。
- 商品企画や設計、工業デザインに携わっている人
- 色彩の効果を用いて売場づくりや店舗のレイアウトを行いたい人
- 商業施設や環境空間の配色計画に興味がある人
- 色の知識を用いてプレゼンや提案の説得力を高めたい人
- ファッションやメイクなど、実生活での色使いに関心がある人
- デザイン業務において、より論理的に色を扱いたい人
- 実務に生かせる資格を取得し、就職・転職に役立てたい人
色彩検定とカラーコーディネーター検定の違いに関するQ&A
ここからは、色彩検定とカラーコーディネーター検定についてのよくある疑問に、Q&A形式で回答します。受検を検討している方は、確認しておきましょう。
Q. 色彩検定とカラーコーディネーター検定はどちらが難しい?
A. 一般的に、色彩検定のほうが難易度はやや高いとされています。特に1級は専門性が高く、実技を含む2次試験もあるため、より入念な対策が必要でしょう。なお、勉強期間の目安は、3級と2級は1~2カ月、1級は2~6カ月、UC級は最低1カ月となります。
一方、カラーコーディネーター検定は、2020年の試験内容の変更により、アドバンスクラスの難易度がやや下がったと言われています。スタンダードクラス・アドバンスクラス共に、勉強期間の目安は1〜2カ月程度です。学習に必要な期間が比較的短いことから、カラーコーディネーター検定のほうが取り組みやすいと感じる人もいるでしょう。
Q. 色彩検定やカラーコーディネーター検定の資格を取ると何ができる?
A. 色彩検定やカラーコーディネーター検定の資格保有者になると、感覚だけに頼らない、理論的な色彩スキルが身に付きます。
例えば、色彩検定に合格すると、日常生活からビジネスまで幅広いシーンで活用できる知識を得られ、販売や企画などの業務において説得力のある色の提案ができるようになります。また、カラーコーディネーター検定の合格により、売れる色・見やすい色などを戦略的に使いこなす知識が身に付くため、商品開発やブランディングなどの商業分野で即戦力になりうると言えます。
色彩検定やカラーコーディネーター検定を通して、配色のルールや色の心理効果を理解すれば、ファッションやインテリアはもちろん、広告や販促物などでも目的に応じた色選びが可能になるでしょう。
色彩検定を受けることのメリットについては、以下の記事でも詳しく説明しています。
まとめ:色彩検定・カラーコーディネーター検定の違いを理解し、目的に合った資格を選ぼう
色彩検定とカラーコーディネーター検定は、どちらも色の専門知識を証明できる資格ですが、級の分け方や出題範囲などに明確な違いがあります。
色彩検定は、色彩の理論を基礎から応用まで体系的に身に付けることを重視しており、汎用性の高い資格としてさまざまな分野で評価されています。色のユニバーサルデザインに特化した級があるのも、色彩検定の特徴です。
一方、カラーコーディネーター検定は、ビジネスや実務での色彩活用を重視した内容となっており、合格を目指して勉強すれば、プレゼンテーションや商品開発などに役立つ技能を身に付けられます。
色彩検定とカラーコーディネーター検定のどちらにも、それぞれ独自の魅力があります。自分の目的や目指すキャリアに合った資格を選び、取得にチャレンジすると良いでしょう。
出典: 色彩検定, カラーコーディネーター検定試験