メンタルヘルス関連資格のおすすめ11選!民間資格・国家資格の種類を紹介

メンタルヘルス関連資格のおすすめ11選!民間資格・国家資格の種類を紹介

メンタルヘルスに関する資格は、心の健康についての理解を深め、適切に支援するための知識や技術を習得したことの証明です。近年は職場や学校で心の不調が問題視されており、専門的なサポートを担う人材への期待が高まっています。心理学の基礎、ストレスやうつ病の理解、相談・支援の方法など、資格を通じて学べる内容は幅広いため、さまざまな分野でその専門性を生かせるでしょう。

当記事では、メンタルヘルス関連資格を取得するメリットや選び方を解説するとともに、おすすめの資格についても紹介します。目的や状況に応じて適切な資格を選び、職場でのメンタルヘルス対策やキャリアアップに役立てましょう。

メンタルヘルスに関する資格とは

メンタルヘルス関連資格は、心の健康について理解し、適切に支援するための知識・技術を身に付けたことの証明です。前述したように、近年は職場や学校で心の不調が問題になることが多く、専門的なスキルを持つ人材が求められています。

資格取得を通じて学ぶ内容は、心理学の基礎、ストレスやうつ病といったメンタル不調の理解、相談・支援の方法など多岐にわたります。メンタルヘルス関連資格を取得することで、職場のメンタルヘルス対策や従業員のサポートに貢献できるでしょう。

人事労務担当者がメンタルヘルス関連資格を取得するメリット

人事労務担当者がメンタルヘルス関連資格を取得すると、従業員のサポートの強化につながります。具体的には、下記のようなメリットがあります。

・メンタルヘルス相談窓口としての信頼性を高められる
人事労務担当者が資格を持っていると、相談する側は「資格を持っているなら、専門的に対応してもらえそう」と認識し、悩みを打ち明けやすくなります。上層部への提案や施策の進言においても説得力が増し、社内での信頼度が高まるでしょう。

・従業員のメンタル不調を早期に発見できる
資格取得を通じて得られる知識と技術は、不調のサインを見抜く力になります。欠勤や遅刻の増加、表情・態度の変化などを早期に察知できれば、状況が深刻化する前にアプローチできるでしょう。早期対応は従業員の健康を支えるだけでなく、休職や離職による欠員のリスクを減らすことにもつながります。

・産業医や保健スタッフとの連携がスムーズになる
人事労務担当者は、産業医や保健師などと連携しながら従業員の健康管理にあたります。資格取得によって専門用語、制度などが理解できるようになると、情報共有や意見交換がスムーズになり、より適切なサポート体制を築けるでしょう。連携の精度が高まることで、従業員一人ひとりに合った支援を実現できる点も強みです。

メンタルヘルス関連資格取得は、相談対応の信頼性向上、早期発見、専門職との連携強化などの観点から、人事労務担当者自身と企業双方にメリットをもたらします。

メンタルヘルス関連資格を選ぶポイント

メンタルヘルス関連資格は数多く存在するため、取得を検討する際に「どれを選ぶか悩んでしまう」というケースもあるでしょう。資格選びでは次の3つのポイントを押さえるのがおすすめです。

・資格取得の目的を明確にする
転職や昇進を目的とする場合は、社会的認知度の高い資格が適しています。現職でのスキル強化や日常的なサポートが目的なら、職場のニーズに適した資格を取得するのが望ましいでしょう。無計画に取得を目指すと、イメージしていた活用方法につながらず、時間や費用が無駄になる可能性もあるので注意が必要です。

・自分の状況と学習環境を確認する
資格取得には、ある程度の学習時間と費用が必要です。働きながら勉強するのか、学生として学ぶのかによっても、資格の選び方や学習方法は異なります。受験料やテキスト代、講座費用などを考慮しつつ、自分にとって現実的に続けられる環境を整えることから始めましょう。

・受験資格の有無を確認する
メンタルヘルス系資格には、国家資格と民間資格があります。国家資格の多くは、大学や大学院での指定科目修了、あるいは実務経験といった受験条件があり、条件を満たしていなければ受験そのものができません。一方、民間資格の中には受験要件がなく、挑戦しやすいものも少なくありません。事前に受験資格を確認したうえで、目的や学習時間、キャリアプランに合ったものを選びましょう。

国家資格のメンタルヘルス関連資格おすすめ3選

国家資格のメンタルヘルス関連資格おすすめ3選

メンタルヘルスに携わる場合、必ずしも国家資格が必要というわけではありません。たとえば、臨床心理士、産業カウンセラーなどの民間資格を活用して、心理カウンセラーとして活躍している人も数多くいます。ただし、公認心理師などの国家資格を取得すれば、社会的な信頼を得やすく、就職・転職などで有利に働きます。医療や福祉、教育、産業など幅広い分野で活動できるのも、メリットの一つでしょう。

ここでは、メンタルヘルス関連資格の中から、国家資格をピックアップして紹介します。

公認心理師

公認心理師は、心の問題を抱えた相談者に対して、心理学の専門知識に基づいた助言・指導を行うための資格です。加えて、心の健康に関する啓蒙活動も、公認心理師の大事な役割です。

2017年に誕生した国内唯一の心理系国家資格であり、受験するにあたっては大学・大学院で必要な科目を履修すること、大学で所定科目を履修した後に実務経験を積むことなどの要件が定められています。

試験は心理学の基礎から臨床心理学、精神医学、発達や教育、社会制度まで幅広い分野から出題されるため、効率的かつ網羅的な学習が必要です。登録後は、公認心理師法に基づいて「公認心理師」という名称を独占的に使用でき、医療や福祉、教育、司法、産業などの分野で助言・指導が行えます。

信頼性や専門性の高さから、心理カウンセラーを目指す人にとっては、ぜひ取得しておきたい資格と言えるでしょう。

出典:厚生労働省「公認心理師法概要」公益社団法人 日本公認心理師協会「公認心理師とは」

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、専門的な知識・技術を活用して、精神疾患を患う障害者や心の課題を抱える人への相談援助、社会復帰の支援などを行う国家資格です。

国家試験を受けるにあたっては、大学や短大で指定科目を修めて卒業すること、指定の養成施設を卒業することなどの要件を満たす必要があり、合格すれば医療、福祉、保健といった幅広い分野で活躍できます。なお、精神保健福祉センターや保健所で働く場合は、地域住民に向けて、メンタルヘルスを啓蒙する役割も担います。

生活支援サービスの裾野が拡大する中、近年は教育・産業領域でも精神保健福祉士に対するニーズが高まってきました。さらに、災害現場における被災者のメンタルフォローの役目も期待されています。そうした状況を踏まえるなら、今後も安定した活躍が期待できる資格と言えるでしょう。

出典:厚生労働省「精神保健福祉士について」公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉士国家試験」

社会福祉士

社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいて制定された国家資格で、高齢者、障害者、児童、貧困世帯などに向けて、相談援助や福祉サービスの調整を行うのが主な役割です。福祉分野全般を対象とする資格ですが、精神障害者の支援にも関わるため、メンタルヘルス領域の関連資格としても重視されています。

受験するにあたっては一定の学歴や実務経験が求められ、試験では心理学、社会保障、障害者福祉、児童家庭福祉、地域福祉、ソーシャルワーク理論などの知識が問われます。福祉系資格の中では難易度が高い試験のため、出題傾向をつかんだうえで、計画的に学習を進める必要があるでしょう。ちなみに、以前は合格率が20〜30%程度で推移していましたが、近年は40〜50%台に上昇しています。

資格取得後は医療、福祉、教育、司法など幅広い分野で活動でき、上級社会福祉士などへのキャリアアップも可能です

出典:厚生労働省「社会福祉士・介護福祉士等」公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「社会福祉士国家試験」

民間資格のメンタルヘルス関連資格おすすめ8選

ここからは、比較的取得しやすく、さまざまな分野で活用できる民間資格を紹介します。民間資格はスキルの証明になるだけでなく、日常生活や職場での相談・支援にも生かせる点が特徴です。

心理学の基礎を学べるものから、専門的なカウンセリングに特化したものまで幅広い資格があるので、自分の目的に合ったものを選んで実践力を磨きましょう。

認定心理士

認定心理士は、公益社団法人日本心理学会が認定する民間資格で、大学で心理学の標準的な知識・技術を修得していることを証明するものです。取得したからといって心理専門職に就けるわけではありませんが、履歴書に記載できる資格のため、就職・転職活動時のアピールポイントとして有効です。

資格は履修単位と学修内容の審査によって認定され、試験や定期的な更新は必要ありません。心理系資格の中では取得のハードルが低いため、心理職を目指す人が「キャリア形成の基盤」として活用するのがよいでしょう。

出典:公益社団法人 日本心理学会「認定心理士の資格を取りたい方」

臨床心理士

臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格で、臨床心理学に基づく知識や技術を活用して、「心の問題」をケアするのが主な役割です。受験には、指定大学院や専門職大学院の修了が求められ、入門的資格である認定心理士よりも取得の難易度は上がります。

試験範囲は臨床心理学全般にわたり、心理査定、面接援助技法、コンサルテーション能力など実務に直結する知識と技能が問われます。合格率は例年60%台ですが、専門性の高い内容のため十分な対策と準備が必要でしょう。

資格取得後は、教育機関や医療機関、福祉施設などの現場で活動し、相談者の問題解決を支援します。心の健康は生活の質に深く関わるため、臨床心理士の存在は現代社会において欠かせないものと言えるでしょう。

出典:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「臨床心理士とは」公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会「受験資格」

産業カウンセラー

産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する資格で、職場における総合的なメンタルヘルス対策を担う存在です。受験にあたっては、同協会が実施する養成講座を修了すること、大学院で心理学関連科目を規定単位以上取得することなどの要件を満たす必要があります。

試験は学科試験と実技試験で構成され、学科試験は産業カウンセリング概論、カウンセリングの原理および技法、職場のメンタルヘルスなどの分野から出題されます。なお、2025年度の合格率は、学科試験が61.26%、実技試験が66.03%、総合では57.45%でした。

産業カウンセラーの業務領域は、「メンタルヘルス対策支援」「キャリア開発支援」「職場環境改善の支援」の3つに分けられ、資格取得後は働く人と組織の両方の課題解決に貢献できるでしょう。近年は、職場環境に起因する心の病気が増えていることから、産業カウンセラーは社会的にも重要な資格となっています。

出典:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会「2025年度 産業カウンセラー試験」一般社団法人 日本産業カウンセラー協会「産業カウンセラーとは」

メンタルヘルス・マネジメント®検定

メンタルヘルス・マネジメント検定®は、働く人たちの心の病を未然に防ぎ、ケアするための知識・技術を習得するための民間資格です。試験には公開試験と団体特別試験の2種類があり、公開試験は全国15都市で実施されます。

検定はⅠ種(マスターコース)、Ⅱ種(ラインケアコース)、Ⅲ種(セルフケアコース)の3コースに分かれており、Ⅲ種は「ストレスへの気づきや対処法」を学ぶ一般社員向けの内容、Ⅱ種は「部下の不調に適切に対応する力」を測る管理職向けの内容となっています。一方のⅠ種は人事労務スタッフや経営幹部向けのコースで、「組織的なメンタルヘルス施策の立案力・実践力」が問われます。

組織全体のメンタルヘルス対策や職場環境の改善に役立つため、業務内容、職種に関係なく、さまざまな職場で活用できる資格です。

出典:メンタルヘルス・マネジメント検定試験「試験のご紹介」

JADP認定メンタル心理カウンセラー®

JADP認定メンタル心理カウンセラー®は、一般財団法人日本能力開発推進協会(JADP)が認定する民間資格で、医療・福祉・教育・産業など幅広い分野で役立つカウンセリング能力を証明できます。受験資格は協会指定の教育機関で全カリキュラムを修了することで得られ、試験内容は心理学・精神医学の基礎知識やカウンセリング理論、クライエント対応などが中心です。

初心者でも挑戦しやすいため、心理カウンセリング学習の入門編として活用するのがおすすめです。

出典:日本能力開発推進協会 (JADP)「JADP認定メンタル心理カウンセラー®」

メンタルケア心理士®

メンタルケア心理士®は、基礎的な心理カウンセリング能力を証明する民間資格です。メンタルケア心理士になるには、指定の通信講座を受講したうえで、文部科学省が後援する「こころ検定®2級」に合格する必要があります。ただし、認定心理士や産業カウンセラーの資格を持っている人、4年制大学の心理学部・学科を卒業した人は、講座の受講が不要です。

学習範囲は精神解剖生理学、精神医科学(DSM-5準拠)、発達心理学、カウンセリング技法、倫理など幅広く、心因性・内因性の精神障害やトラウマ、不安症などへの理解も求められます。

資格取得後は医療・福祉・教育・産業・公共サービスなどの分野で専門知識を活用でき、医療職や介護職からの注目度も高まっています。

出典:医療福祉情報実務能力協会「メンタルケア心理士® 認定試験」

ケアストレスカウンセラー

ケアストレスカウンセラーは、一般財団法人職業技能振興会が監修する資格で、メンタル疾患の予防・対応に必要な基礎知識とスキルの習得を目的としています。また、有資格者を対象に定期的な実技研修を開催するなど、資格取得後も不安なく活動できる仕組みが整っているのも、この資格の大きな特徴です。

対策学習を通じて、ストレス社会における基礎的な相談援助スキルが身に付くため、医療や教育の現場はもちろん、電話相談や地域活動など幅広い分野で資格を活用できるでしょう。

出典:内閣府認可一般財団法人 職業技能振興会「ケアストレスカウンセラー」

こころ検定®

こころ検定®は、一般財団法人日本こころ財団が主催する心理学系検定で、「こころのメカニズムを探り、こころが人の生活や社会にどのような影響を与えているのかを理解していく」ことを目的としています。

検定は1級・準1級・2級・3級・4級に分かれており、3級・4級は基礎心理学、2級・準1級・1級は応用心理学を身に付ける内容となっています。なお、「4級:こころと向き合う」「3級:こころを成長させる」といった具合に、級ごとにテーマが設けられており、心理学の基礎から応用までを段階的に学べるのも特徴の一つです。

4〜2級は特別な受験要件はなく、高校生から社会人まで幅広い層が受験できるため、心理学やメンタルヘルスを体系的に学びたい人は、ここから始めてみるのもよいでしょう。

出典:こころ検定「こころ検定とは」

まとめ

メンタルヘルスに関する資格は、国家資格から民間資格まで多岐にわたり、取得すれば心理的な支援や相談援助を行う際の信頼性、実践力を高められます。人事労務担当者の場合なら、従業員の不調を早期に察知し、産業医や保健スタッフと連携するための大きな強みになるでしょう。

「ストレス社会」という呼び方が定着し、社会全体で心の健康への取り組みが求められる中、メンタルヘルス関連資格は今後ますます重要性を増していくと考えられます。自分に合った資格を選び、メンタルヘルスについての知識を深めましょう。

※当記事は2025年9月時点の情報をもとに作成しています