建築業界でおすすめの国家資格・民間資格一覧|資格取得のメリットも

建築業界でおすすめの国家資格・民間資格一覧|資格取得のメリットも

建築業界は専門性が高いことから、資格の有無が業務の範囲拡大や評価向上に直結します。法律上、資格保有者にしか許されていない業務も多く、資格の取得はキャリアを築くための有効な手段にもなります。企業によっては資格手当を設けている場合もあり、収入面でのメリットも期待できるでしょう。 

 

当記事では、建築業界で役立つ国家資格と民間資格を取り上げ、それぞれの特徴や取得するメリットを詳しく解説します。資格取得を通じて自身の専門性を高めたい人、安定したキャリアを築きたい人は、参考にしてください。 

建築業界で資格を取るメリット

建築業界は専門性が高く、資格の有無によって担当できる業務の内容が大きく変わります。

資格は知識や経験を客観的に証明するための武器にもなるため、顧客からの信頼を得やすくなるのはもちろん、将来的なキャリアアップにもつながるでしょう。ここでは、資格取得によって得られる具体的なメリットを解説します。

第三者にスキルを認めてもらえる

資格は、専門知識や実務能力を客観的に証明するための手段です。特に、受験要件として実務経験が必要な資格の場合、取得した時点で知識と経験の両方を備えていると認められるため、取引先や顧客に対して専門性の高さを示せるでしょう。加えて、就職や転職においても有利に働きます。

資格によって能力が可視化されることで、周囲からの評価が得やすくなり、責任ある業務を任される可能性も高まります。

担当できる業務が広がり活躍できる

建築業界では、資格を持たなければ従事できない業務が数多くあります。そのため、資格の取得によって業務の幅が広がり、組織における存在感も増すでしょう。担当できる業務が広がれば、希望する分野の仕事に携わりやすくなって、やりがいが大きくなります。

そうした点を踏まえるなら、資格は業務の選択肢を増やす武器であるとともに、理想の仕事環境を整えるための有効な手段とも言えそうです。

キャリアアップにつながる

資格は昇進の条件として重視されることが多く、業務に直結する資格を取得すれば、キャリアアップの可能性が高まります。企業によっては資格手当を設けている場合もあり、収入面でのメリットも期待できるでしょう。

また、経営事項審査において加点対象となる資格を取得した場合、会社全体の評価向上にも寄与できます。

建築業界でおすすめの国家資格14選

建築業界でおすすめの国家資格

建築業界には数多くの国家資格があり、業務の幅を広げたり、専門性を高めたりする上で大きな役割を果たします。業務のなかには、法律上資格保有者にしかできないものもあるため、そうした資格を取得すれば、就職・転職の場面でも高く評価されるでしょう。

以下では、建築業界の代表的な国家資格14種を取り上げ、特徴やメリット、試験の難易度について解説します。

一級建築士・二級建築士

建築士は建築士法に基づく国家資格で、建物の設計や工事監理を担う専門職です。資格は一級と二級に分かれており、一級建築士は国土交通大臣の免許を受けて、大規模かつ高度な構造を持つ建築物の設計・監理を担います。一方、二級建築士は都道府県知事の免許で、中規模以下の建築物を中心に扱います。

一級建築士試験の合格率は、直近5年間で9~11%程度となっており難易度は高めです。なお、試験には学科試験と設計製図試験があり、5科目(計画、環境・設備、法規、構造、施工)からなる学科試験に合格しなければ、設計製図試験に進めません。

二級建築士は合格率がおおむね20%前後で、一級と比べて取得しやすい傾向にあります。いずれも、建築業界で重宝される資格であり、就職・転職やキャリアアップを目指す際にも有利に働くでしょう。

出典:一般社団法人 東京建築士会「建築士とは」, 公益財団法人 建築技術教育普及センター「試験結果」, 公益財団法人 建築技術教育普及センター「試験結果」

建築施工管理技士

建築施工管理技士は、建設業法に基づいて国土交通省が認定する国家資格で、建設現場における施工計画の作成や工程・品質・安全の管理を担います。資格には1級と2級があり、それぞれ管理できる現場の規模が異なります。

具体的に説明すると、1級には管理できる工事の規模に上限がなく、超高層マンションや大型ショッピングモール、公共施設などの大規模な工事に関わることが可能です。2級は中小規模の建設工事を管理するための資格で、「建築」「躯体」「仕上げ」の3種類に分かれています。

試験の合格率は、2024年度実績で1級建築施工管理技術検定が40.8%、2級建築施工管理技術検定が40.7%となっています。建築士試験と比べると合格率は高めですが、幅広い知識と実務経験が求められるため、決して簡単な試験ではありません。

有資格者は、営業所に配置する専任技術者や現場の主任技術者・監理技術者になれるため、工事の受注や許可取得には不可欠な存在と言えます。

出典:一般財団法人建設業振興基金「施工管理技術検定」

出典:一般財団法人建設業振興基金「令和6年度 1級建築施工管理技術検定 結果表」

出典:一般財団法人建設業振興基金「令和6年度 2級建築施工管理技術検定 結果表」

宅地建物取引士(宅建士)

宅地建物取引士(宅建士)は、不動産取引における重要事項説明や契約書への記名を独占的に行う国家資格です。宅建業法上、不動産事業者には事務所ごとに一定数の宅建士の配置が義務付けられており、不動産業界においては必須の資格となっています。

試験は毎年1回実施され、宅建業法や民法、税制や建築基準法など、不動産業務に関する実務的な知識が問われます。出題形式は四肢択一式の50問で、試験時間は2時間。2024年度の合格率は18.6%で、国家資格のなかでは中程度の難易度と言えます。

建築業界においても、自社で建築した不動産の取引を行う際は宅建士が必要なため、取得すれば業務の幅が広がります。就職・転職においても有利に働くでしょう。

出典:一般財団法人 不動産適正取引推進機構「宅建試験の概要」, 一般財団法人 不動産適正取引推進機構「令和6年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」

電気工事士(第一種・第二種)

電気工事士は、電気工事士法に基づく国家資格で、電気工作物の安全な設置・修理・点検を担う技術者です。資格は第一種と第二種に分かれており、第一種は高圧で受電するビルや工場などの電気設備を扱います。対して、第二種は主に一般住宅や小規模店舗の屋内配線、照明器具の設置などを対象とします。

いずれも学科試験と技能試験があり、実務で必要な知識と技術が幅広く問われます。2024年度の合格率は第一種が61.9%、第二種が69.5%と比較的高めで、国家資格のなかでは取得しやすい部類でしょう。

ただし、建築現場や設備工事の現場に欠かせない資格であることから、キャリアの基盤づくりとして高い評価を受けています。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター「電気工事士の資格概要」, 一般財団法人 電気技術者試験センター「令和6年度第一種電気工事士下期技能試験の結果について」, 一般財団法人 電気技術者試験センター「令和6年度第二種電気工事士下期技能試験の結果について」

消防設備士

消防設備士は、建物に設置された消火器や火災報知設備、スプリンクラーといった消防用設備の工事・整備・点検を行うための国家資格です。消防法上、劇場やホテル、デパートなど多くの人が利用する建築物には、消防用設備の設置が義務付けられており、それらの点検は消防設備士の有資格者が行う必要があります。

資格には乙種(1〜7類)と甲種(特類、1〜5類)があり、甲種を持っていれば消防用設備の点検・整備のほか設置・交換作業も行えます。一方、乙種は消防設備の点検・整備のみを行う資格です。

合格率は種別によって差がありますが、甲種はおおむね30%前後、乙種は20%台から60%台まで幅があります。

防災や安全に直結する専門性の高い資格であることから、建築業界でも有用な資格となるでしょう。

出典:一般財団法人 消防試験研究センター「消防設備士について」, 一般財団法人 消防試験研究センター「試験実施状況」

測量士・測量士補

測量士と測量士補は、ともに土木・建設現場の測量業務に関わる国家資格です。ただし、それぞれの業務内容には違いがあり、測量士は測量計画の作成から実測まで測量業務全体を主導する役割。測量士補は測量士が立てた計画に基づいて、実際の測量作業を行う役割を担います。

2025年度の合格率は、測量士が40.2%、測量士補が51.2%となっており、国家資格のなかでは比較的高めです。

建築の現場では、常に正確性と責任が求められるため、測量士・測量士補の資格を取得すれば業務に対する信頼性が高まります。法律上、公共測量や基本測量に従事するにはいずれかの資格が必要になるため、就職や転職においても有利に働くでしょう。

出典:国土交通省 国土地理院「令和7年測量士試験の合格者を発表」, 国土交通省 国土地理院「令和7年測量士補試験の合格者を発表」

建築設備士

建築設備士は、空調・換気、給排水衛生、電気設備といった建築設備の設計や工事監理に関する高度な知識を持ち、建築士に専門的な助言を行う国家資格です。延べ面積が2,000平方メートルを超える大規模建築物の設計・工事監理を行う場合、建築士は建築設備士の意見を聴くことが努力義務とされています。

試験では建築一般知識、建築法規、建築設備などの幅広い知識が求められ、2024年度の合格率は21.5%とやや低めでした。

近年は、建築設備も高度化・複雑化していることから、建築設備士が果たす役割は大きく、質の高い建築物を実現する上で欠かせない存在となっています。

出典:一般社団法人 建築設備技術者協会「建築設備士とは」, 公益財団法人 建築技術教育普及センター「建築設備士試験データ」

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、不動産登記のうち「表示に関する登記」を専門に扱う国家資格です。具体的には、土地や建物の所在や形状、面積などを調査・測量し、その結果を正確に登記記録に反映させる役割を担います。

試験は筆記試験と口述試験で構成され、筆記では民法や登記の申請手続、筆界、測量、作図などの知識が問われます。2023年度の試験の合格率は9.6%と低く、国家資格のなかでも難易度が高い部類です。

しかし、専門性と公共性の両面から信頼される資格であるため、取得すれば不動産分野、建築分野のキャリア形成において、大きな強みとなります。

出典:日本土地家屋調査士会連合会「土地家屋調査士について」, 日本土地家屋調査士会連合会「日本全国あなたの近くの土地家屋調査士」

技術士

技術士は、技術士法に基づいて認定される国家資格で、科学技術分野における高度な専門知識と応用能力、豊富な実務経験を持つ技術者に与えられます。技術士になるには、文部科学省所管の国家試験に合格し、登録しなければなりません。

試験は第一次試験と第二次試験に分かれており、第一次試験に合格すると「技術士補」としての登録が可能になります。その後、実務経験を積んで第二次試験に合格すれば「技術士」として認定されます。

技術士資格には、建設、機械、電気電子、化学、金属、建設など21の部門があり、社会基盤の整備から産業技術の研究開発まで幅広いジャンルで活躍できます。なお、2024年度の合格率は第一次試験が37.4%で、第二次試験が10.4%。比較的合格しやすい傾向にありますが、二次試験の難易度はやや高めです。

資格を取得すれば社会的な信頼が得られ、キャリア形成や独立に役立つでしょう。

出典:日本技術士会「技術士になるには」,日本技術士会「【令和6年度技術士第一次試験統計】」, 日本技術士会「【令和6年度技術士第二次試験統計】」

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、土地や建物といった不動産の経済的価値を客観的に評価する国家資格です。不動産の価値は立地、広さ、形状、築年数、地盤、周辺環境などさまざまな要素によって変動するため、売買や貸借、担保設定などの場面では、公正中立な評価が不可欠です。

そのため、不動産鑑定士は不動産の鑑定評価が必要とされる多くの場面で活躍できます。また、不動産の鑑定評価に基づいて、土地や建物の有効活用・投資判断などのアドバイスを行うこともあります。

試験は短答式と論文式に分かれており、2024年度における短答式の合格率は約36.2%と比較的高めです。一方の論文式は約17.3%と低く、総合的には難関資格と言えるでしょう。法律、経済、会計、不動産などの知識が広く求められるため、合格には計画的かつ網羅的な学習が必要です。

有資格者は幅広い業務に携われることから、資格を取得すれば不動産業界はもちろん、金融業界や建築業界、行政機関などでも重宝されるでしょう。

出典:公益社団法人 日本不動産鑑定士協会連合会「不動産鑑定士とは」, 国土交通省「令和6年不動産鑑定士試験短答式試験の結果について」, 国土交通省「令和6年不動産鑑定士試験論文式試験の結果について」

木造建築士

木造建築士は、木造建築物に特化した国家資格であり、「2階建てまでの木造建築物で、延べ面積が100平方メートル以上300平方メートル以下のもの」を対象に、設計・工事監理を行えます。二級建築士でも同等の業務は可能ですが、古い木造家屋や神社・仏閣など、専門的な木造技術が必要な場合は、木造建築士の知識が重宝されます。

試験は学科試験と設計製図試験に分かれており、学科試験では建築計画、建築法規、建築構造、建築施工などの知識が問われます。2024年度の合格率は39.9%と比較的高めで、建築関連の資格のなかでは挑戦しやすい部類でしょう。

一級建築士、二級建築士と比べて扱える建物は限られますが、木造建築物に関する専門性を高めたい人、歴史的な木造建築物に携わりたい人には最適な資格です。

出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「試験結果」

解体工事施工技士

解体工事施工技士は、国土交通大臣省が管轄する国家資格です。近年は解体対象物の増加、解体対象物の大型化・複雑化、解体工事に関する災害の増加などの課題が顕在化しており、そうした状況に対処するための専門的な資格制度として、解体工事施工技士が創設されました。

解体工事の現場監督や施工管理、作業員の指導・監督などが主な役割で、建設リサイクル法に基づいて登録解体工事業者の技術管理者、解体工事業許可業者の主任技術者としても認められています。

2024年度における試験の合格率は63.5%となっており、適切に学習を進めれば十分に合格が可能です。ただし、現場では解体工事に関する高度な知識や安全・環境への配慮など、多くの知識・技能が求められるため、資格取得後も継続的な学習が必要でしょう。

今後も解体工事の需要は増加が見込まれていることから、今後も安定した活躍が期待できる資格と言えます。

出典:全解工連「解体工事施工技士について」, 全解工連「■ 令和6年度(第32回)解体工事施工技士試験 概況」

管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、建設業法に基づく国家資格で、冷暖房設備工事や上下水道配管工事、ガス配管工事、ダクト工事など管工事全般の施工管理を担います。

資格は1級と2級に分かれており、1級合格者は監理技術者として大型工事の現場に配置されます。公共工事の入札や経営事項審査でも高い評価を受けるため、企業にとっては貴重な人材と言えるでしょう。

合格には専門知識と実務経験が求められますが、十分な学習を行えば合格は可能です。近年は、設備工事の需要が拡大していることから、資格取得によってキャリアアップや安定した就業につながると考えられます。

出典:総合資格学院「1級管工事施工管理技術検定の合格率について」

設備設計一級建築士

設備設計一級建築士は、設備設計についての専門知識と経験を証明する、一級建築士の上位資格です。2006年に創設された比較的新しい資格で、「3階建て以上かつ延べ面積5,000平方メートルを超える建物」の設備設計には、設備設計一級建築士が必要です。

設備設計一級建築士になるには、まず一級建築士として設備設計の業務を5年間行う必要があります。その後、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関の講習を受け、修了考査に合格することで資格を取得できます。

なお、考査では空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備、輸送設備などに関する幅広い知識が問われ、設計製図、設備設計も評価対象となります。2024年度の合格率は58.9%と高めですが、受講者が実務経験者に限られるため、決して簡単な試験ではありません。

環境配慮型・省エネ型の建築に注目が高まり、設備設計の重要性が増していくなか、設備設計一級建築士の重要度は今後さらに高まるでしょう。

出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「設備設計一級建築士講習 (制度全般)」, 公益財団法人 建築技術教育普及センター「設備設計一級建築士講習データ」

建築業界で役立つ民間資格5選

建築業界で役立つ民間資格

建築業界では国家資格が重要視されますが、民間資格でも実務に直結する知識やスキルを証明できます。専門性の補強につながるような資格を取得すれば、業務の幅が広がり、キャリア形成にも役立つでしょう。

ここでは代表的な5つの民間資格を紹介します。

建築積算士

建築積算士は、公益社団法人日本建築積算協会が認定する民間資格で、設計図書や仕様書をもとに建築工事に必要な資材、数量、工事費などを算出するのが主な役割です。試験は学科試験(一次試験)と実技試験(二次試験)に分かれ、工事発注スキームや数量積算基準、標準内訳書式、データ分析と積算チェックなどの知識が問われます。

2024年度の実績では、一次試験の合格率が約64.8%、二次試験は約59.5%となっており、しっかり学習すれば十分に合格を目指せます。

建築積算士の資格は、公共工事の入札や資格審査において加点対象となるなど、業界での評価が高い資格です。取得すれば、建設会社やハウスメーカー、建設計事務所、官公庁など幅広い職場で、その知識とスキルを役立てられるでしょう。

出典:公益社団法人 日本建築積算協会「建築積算士制度の概要」, 公益社団法人 日本建築積算協会「建築積算士認定事業による2024年度建築積算士二次試験実施結果」, 公益社団法人 日本建築積算協会「建築積算士認定事業による2024年度建築積算士一次試験実施結果」

インテリアプランナー

インテリアプランナーは、住居や商業施設などにおける内装の企画・設計・工事監理を担う専門資格です。建築士業務とは異なる独自の知識や技能を生かして、顧客の要望にあった魅力的な室内空間を実現するのが主な役割となります。

試験は、学科試験と設計製図試験の2段階。学科合格者には「アソシエイト・インテリアプランナー(AIP)」の称号が付与され、設計製図試験に合格すると正式にインテリアプランナーとして登録できます。

試験内容はインテリア計画、建築基準法、設備計画など幅広く、設計製図試験では設計意図を的確に表現するための技能が求められます。2024年度の合格率は、学科試験54.6%、設計製図試験27.9%となっており、学習を重ねれば挑戦しやすい資格です。

資格を取得すれば、建築とインテリア両方に強みを持つ人材として、設計事務所やハウスメーカーなど幅広い職場で活躍できます。

出典:公益財団法人 建築技術教育普及センター「インテリアプランナー試験のご案内」, 公益財団法人 建築技術教育普及センター「インテリアプランナー試験データ」

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障害者が安心・快適に暮らすための住環境を提案する専門資格です。具体的には、医療・福祉・建築に関する幅広い知識をもとに、住宅改修やバリアフリー化を総合的にアドバイスし、それぞれの体の状態にあわせた住環境づくりをサポートします。

試験には3級から1級までの等級があり、2024年度の合格率は3級が39.6%、2級が43.7%でした。それに対して1級は7.6%と難易度が高く、専門的な応用力が求められます。

超高齢社会を迎えるなか、福祉住環境コーディネーターの需要は高まっており、建築業界においても社会貢献度の高い資格として注目されています。

出典:東京商工会議所「福祉住環境コーディネーター検定試験®とは」

出典:東京商工会議所「データ」

建設業経理士

建設業経理士は、建設業経理に関する知識と処理能力、経営改善の能力などを認定する専門資格です。資格は1~4級に分かれており、3・4級は基礎的な簿記や原価計算を扱う「建設業経理事務士試験」、2・1級は経審に直結する「建設業経理士試験」として実施されています。

出題範囲は、4級が簿記のしくみ、3級が建設業の簿記・原価計算、2級では簿記や原価計算に加えて、会社会計知識も問われます。最上位の1級は財務諸表・原価計算・財務分析の3科目すべてに合格する必要があり、会計学や会社法の理解も求められる高度な内容です。

有資格者は経営事項審査において評価されるため、企業にとっては貴重な人材と言えます。経理担当者だけでなく建設業界でキャリアを積みたい人にも有用な資格となるでしょう。

出典:一般財団法人建設業振興基金 建設業経理検定「建設業経理検定試験」

CAD利用技術者

CAD利用技術者試験は、建築や機械分野の設計業務で必要となるCADシステムのスキルを証明する民間資格です。試験は2次元 CAD利用技術者試験と3次元 CAD利用技術者試験に分かれており、2次元は図面を正しく読み取り効率的に作図できる力、3次元は製品設計や建築設計に必要な立体的モデリングの能力を測ります。

また、それぞれに1級、2級・基礎(2次元)、1級・準1級・2級(3次元)の等級が設けられているのも特徴の1つです。合格率は等級によって異なり、2次元2級は約55%と比較的高めですが、3次元1級は25~30%前後と難易度がやや高い傾向にあります。

CADの知識は即戦力として評価されるため、技術職としてのキャリアアップを目指す人には有益な資格です。

出典:CAD利用技術者試験「2025年度 2次元CAD利用技術者試験 概要」, CAD利用技術者試験「2025年度 3次元CAD利用技術者試験 概要」, CAD利用技術者試験「統計情報」

まとめ

建築業界における資格取得は、業務の幅を広げるだけでなく、社会的信頼の向上や人生の選択肢の拡大にもつながります。実務能力や専門性を可視化できることから、転職やキャリアアップの際の武器としても活用できるでしょう。

資格は自身の知識や技能、成長を証明するための有効な手段ですが、やみくもに取得しても意味はありません。どの資格が自身の目標やキャリアプランに合うのかを見極め、計画的に挑戦していくことが大切です。

※当記事は2025年8月時点の情報をもとに作成しています