日本の食を未来へつなごう! 10月16日は「国消国産の日」

10月16日は「国消国産の日」

10月16日は「国消国産の日」です。

国消国産とは、JAグループが提唱する「国民が消費する食料は、できるだけその国で生産しよう」という考え方を示す言葉。これに深く関係するのが、食料自給率です。

日本の食料自給率は、38%(カロリーベース、2023年度)。食料の約60%を輸入に頼り続けている日本が、自然災害の発生などにより安定的に食料を輸入できなくなったら、私たちの食生活は大きな影響を受けてしまいます。

そこで大事なのが、日本の食料の自給力を高めること。そのため私たちには、国産の農畜産物を積極的に食べ、国内の農業を支えていくことが求められているわけです。

この記事では、日本の農業において大切な国消国産に関する記念日の背景と、農業分野で役立つ検定について紹介します。

10月16日は「国消国産の日」

10月16日は「国消国産の日」

10月16日の「国消国産の日」は、一般社団法人全国農業協同組合中央会(JA全中)が制定した記念日です。

制定の目的は、国消国産の考え方を広め、国産の農産物を食べて日本の農業を応援する人を増やすこと。より多くの人に国内農業の実態や課題を知ってもらい、持続可能な食料生産を支えてほしいという思いが、この記念日には込められています。

日付の由来は、国連が定める「世界食料デー」が10月16日であることから。世界の食料問題を考える日と同じタイミングで、日本の国消国産も意識する日にしようという狙いがあるのです。

JAグループでは、10月16日の「国消国産の日」に合わせて、10月と11月を「国消国産月間」としています。この期間中には、国産食材を取り入れたイベントやキャンペーンが行われることもありますので、この機会に直売所へ足を運ぶなどして旬の農産物を味わうのも良いのではないでしょうか。

農業の知識と技術を証明できる「日本農業技術検定」とは

「国消国産の日」をきっかけに、農業の担い手となることに興味が湧いた方へおすすめなのが「日本農業技術検定」です。

これは、農業に関する知識や技術の習得度を客観的に測る全国統一試験。主に高校や大学などで農業を学ぶ人や、新規就農を目指す人、農協職員や農業関連企業で働く人のための検定で、2007年度の検定開始以降、延べ38万人以上が受験しています。

試験区分は3級・2級・1級の3つで、各級のレベルや試験内容は以下のとおりです。

    【3級】
  • レベル:農作業の意味を理解できる入門レベル
  • 試験方法:学科試験のみ
  • 試験内容:共通(農業基礎)、選択1科目(栽培系、畜産系、食品系、環境系)
    【2級】
  • レベル:農作物の栽培管理等ができる基本レベル
  • 試験方法:学科試験、実技試験
  • 試験内容:
    学科……共通(農業一般)、選択1科目(作物、野菜、花き、果樹、畜産、食品)
    実技……農業機械作業2機種(乗用トラクタや運搬車などから選択)
    【1級】
  • レベル:農業の高度な知識・技術を修得している実践レベル
  • 試験方法:学科試験、実技試験
  • 試験内容:
    学科……共通(農業一般)、選択1科目(作物、野菜、花き、果樹、畜産、食品)
    実技……論述試験(基礎と専門分野における実践的知識・経験)

各級とも学科試験の受験資格はなく、誰でもどの級からでも受験可能です。2級と1級の実技試験に関しては、それぞれの学科試験に合格した人のみが受験できます。

この検定に合格すると、農業系大学への進学や農業関連企業への就職の際、自らの農業知識をアピールしやすくなったり、選考時に優遇されたりするメリットがあります。

就農や農業関連企業で働くことに興味がある人は、本格的に農業を学ぶ一環として受験を検討してみてはいかがでしょうか。

<参考>
10月16日は国消国産の日|JA全中
日本の食料自給率|農林水産省
日本農業技術検定試験のご案内|一般社団法人全国農業会議所